2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15760606
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
後藤 浩二 九州大学, 工学研究院, 助教授 (60274487)
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Keywords | 脆性破壊 / 延性破壊 / 自由エネルギー / 破壊靱性試験 / 熱力学 |
Research Abstract |
研究代表者は,過去に行ってきた一連の,破壊靱性値に及ぼすひずみ速度の影響に関する研究を通じて,破壊様式が脆性・延性・両者混合のどのような場合でも,破壊発生領域の状態を一義的に反映するパラメータを指標とすることで,不安定破壊の限界条件を統一的に取り扱えるのではないかと考えた。 研究初年度である本年度は,脆性/延性遷移挙動のモデルを構築する事を目的として,統計力学的取扱による,比熱の温度依存性が鋼材の脆性/延性遷移挙動と類似している事に着目し,統計力学レベルのミクロ的視点からのパラメータ導出を試みたが,格子振動に及ぼす載荷影響を,現時点では論理的に矛盾無く表現出来ない事を確認した。 そこで,視点を変え,過去の研究結果を再度吟味することで,系の自由エネルギーを正確に反映できるパラメータを導出することができれば,研究目的に合致することが判明した。 この考えを推し進め,熱力学的(マクロ的)視点から,破壊に対して有効な自由エネルギーを表現するパラメータを導出した。 さらに,過去に行った破壊靱性試験結果を整理することで,導出したパラメータが脆性/延性遷移挙動を統一的に評価するに有用である可能性を確認した。
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