2003 Fiscal Year Annual Research Report
真空紫外域透過フィルタとフォトダイオードアレイによるプラズマ中の不純物分布計測
Project/Area Number |
15760626
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
鈴木 千尋 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (30321615)
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Keywords | プラズマ分光 / 真空紫外線 / フォトダイオードアレイ / 不純物輸送 / 軟X線 / 斜入射型真空紫外分光器 / トモグラフィ / 金属薄膜フィルタ |
Research Abstract |
プラズマ中の特定不純物からの真空紫外光強度の空間分布・時間変化に関する情報を、比較的簡便な装置で得ることを目的として、真空紫外域でも高い量子効率が得られるシリコンフォトダイオード(AXUVD)アレイと、真空紫外域でバンドパス特性を持つ金属薄膜フィルタを組み合わせたシステムを設計し、Al薄膜を用いて実際に製作を行った。Al薄膜(膜厚0.2ミクロン)は真空紫外領域の17-75nmの光子に対して50-60%の透過特性を持っているが、軟X線以上のエネルギーの高い光子も同時に透過する。そこで参照用として、真空紫外域以外はほぼ同じ透過特性を持つフィルタをAl、LiF、およびParylene樹脂の組み合わせにより作成し、この参照用データを差し引くことで真空紫外光強度の空間分布を求めることにした。真空対応の小型20チャンネル電流・電圧変換アンプを製作し、さらにシャッターを兼ねたフィルタ交換機構を含めて全体をICF114のポートに設置できるように、できるだけコンパクトに設計した。フィルタ透過帯域における支配的な発光種は既存の斜入射型分光器(観測波長域10〜150nm)によって同定する。2個の同一モジュールによって、横長断面の2方向から20チャンネルのAXUVDアレイでプラズマを見込むように設計したが、今年度は単一モジュールのみをCHS装置に設置し、予備的な計測を行った。来年度はモジュールを追加するとともにデータ収集・処理系を整備し、本格的なトモグラフィ計測を予定している。また高Z不純物の輸送を模擬するためネオン・アルゴンなどのガスを少量パフし、その後の放射強度分布の時間変化を調べたり、モデルとの比較により不純物の輸送係数を導出することも計画している。本研究については国内学会においてすでに報告を行っているが、来年度は国際会議での発表および学術雑誌論文の投稿を予定している。
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