2004 Fiscal Year Annual Research Report
ウラン・レドックスフロー電池の優れた活物質・隔膜の分子設計による創製
Project/Area Number |
15760641
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山村 朝雄 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20281983)
|
Keywords | ウラン・レドックスフロー電池 / 高エネルギー効率 / 高速の電極反応 / テトラケトン配位子 / ウラン錯体 |
Research Abstract |
ウラン・レドックスフロー電池とは、非プロトン性溶媒においてウランの2つの酸化還元対が高速反応であることを利用して我々が提案したものであり、自然再生エネルギー出力平滑化のための二次電池として研究を進めている。昨年度、ウラン電池の充放電実験を行い電池作動を確認したものの、両極での電極反応のエネルギー効率の低下が生じていることが明らかとなった。電池全体のエネルギー効率は両極のエネルギー効率の集成であるが、バルク量のウラン(V)およびウラン(III)の生成の電極反応のエネルギー効率はこれまで検討されたことがない。そこで、本年度は、特に正極反応の詳細な検討を行った。 ウラン(VI)錯体溶液のバルク電解還元を行うと、1512nmに新たな強い吸収帯が生じることが明らかとなり、また電解調製した溶液のFcPF_6による滴定では明瞭な当量点が観察され、電解により生成した化学種がウラン(V)と同定できる。テトラケトン錯体溶液では、FcPF_6滴下量に対するU(V)減少量の傾斜が0.99であることこの錯体の反応が単純である一方、アセチルアセトン錯体では-1.56と副反応の存在を示唆する。このU(V)溶液の安定性の検討では、ウラニル(V)テトラケトン錯体陰イオンの半減期は、3.7-6.6と、ウラン(V)アセチルアセトン錯体陰イオンの1.5-3.6時間より安定であることが確認できた。 ウラニル(VI)テトラケトン錯体のバルク電解還元により調製されたU(V)溶液は単純な反応を示し、比較的安定であることが判明した。今後、さらなる安定性の追求と、ウラン(III)溶液の安定性の検討を進める。
|
Research Products
(5 results)