2003 Fiscal Year Annual Research Report
植物細胞の伸長方向制御に関わるSPR2遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
15770029
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
庄司 翼 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (40343272)
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Keywords | 微小管 / アラビドプシス |
Research Abstract |
細胞伸長異常を示すアラビドプシス変異体の原因遺伝子として同定されたSPR2の機能解析を行った。 1)相同遺伝子SPR2-like(SP2L)遺伝子の機能解析 アラビドプシスにはSPR2の相同遺伝子SP2Lが存在する。SPR2プロモーターの制御下でSP2L遺伝子を発現させるとspr2変異表現型が回復することからSP2LはSPR2と機能的に交換可能であることがわかった。SP2Lの機能欠損変異体をSALK T-DNAタギングラインより2ライン選抜した。いずれのラインにおいてもSP2Lの転写産物は検出されなかった。sp21変異体は形態上顕著な異常を示さなかった。またspr2sp21二重変異体はspr2と同様の表現型を示しsp21変異による表現型への影響はなかった。 2)組換えSPR2を用いた解析 SPR2タンパク質は直接微小管に結合することが確認されている。SPR2がin vitroで微小管に与える影響を暗視野顕微鏡を用いて解析した。SPR2を加えることで重合していた微小管が急速に脱重合してしまうことが明らかとなった。現在、SPR2が新規の微小管脱重合因子である可能性を慎重に確認している。 3)微小管結合部位の同定 タマネギの一過的発現系においてSPR2-GFPは表層微小管に局在する。この系を用いて局在化に必要な部位を限定化することとした。いくつかの部位欠損コンストラクトを用いた解析でN末端のSer/Thr rich領域は局在に必要ないことやC末端を欠くと局在しなくなることなどが分かった。今後は微小管共沈実験も組み合わせることで結合部位をさらに限定化いく予定である。
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