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2003 Fiscal Year Annual Research Report

日本近海における紅藻ウラソゾの種内分化過程の分子遺伝学的手法による解明

Research Project

Project/Area Number 15770051
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

阿部 剛史  北海道大学, 総合博物館, 助手 (00301929)

Keywordschemotaxonomy / prepacifenol / rbcL / ウラソゾ / ケミカルレース / サハリン / 種内分化 / 対馬暖流
Research Abstract

ウラソゾにおけるケミカルレース相互の問で、生成する二次代謝産物の特徴から類推して系統的に比較的離れていると予想される2つのレース(prepacifenol raceとlaurencin race)について、すでに保有している培養株を材料としてrbcL遺伝子の塩基配列を決定し比較したところ、両者の間にはまったく差異が認められなかった。このことは、本種におけるケミカルレースの種内分化が、日本海が現在の海洋環境に近くなった地質時代的に見て非常に新しい時代に起きたとする、本研究における作業仮説に矛盾しないものである。
サハリンにおける野外調査において、西海岸(日本海側)の数カ所でウラソゾの生育を確認した。なかでも間宮海峡に近いTangiにおいても採集されたことは、本種の分布域が日本海の北端まで達していることを強く示唆する。なお、東海岸(オホーツク海側)の数カ所の調査では、いずれも本種の生育は確認されなかった。このことは本種の分布域が対馬暖流とその支流の影響下にある海域に限られるとする、本研究における作業仮説と一致する。
サハリン北部のTangiのウラソゾ個体群と、南部のYablochnyyの個体群について、それぞれが生成する二次代謝産物の種類を分析したところ両者ともにprepacifenolであった。非常に遠距離であるにもかかわらず同じケミカルレースであり、かつprepacifenol raceは北海道北部にも広く分布していることから、北海道北部以北には一様にprepacifenol raceのみが分布している可能性が高いと考えられる。

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Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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