2003 Fiscal Year Annual Research Report
狭義トウダイグサ科の系統及びその胚珠と種子の解剖学的形質進化の解明
Project/Area Number |
15770056
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
徳岡 徹 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助手 (90303792)
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Keywords | トウダイグサ科 / 分子系統 / rbcL / atpB / 18S rDNA / matK / 種子 |
Research Abstract |
本研究では狭義トウダイグサ科内における分子系統解析を行い、属間の系統関係を明らかにすることを目的としている。本年度はすでに入手済みの材料を用いて狭義トウダイグサ科に含まれる166属(狭義トウダイグサ科全体の72%)のrbcL遺伝子、atpB遺伝子、matK遺伝子、18S rDNA(合計5816bp)の塩基配列を決定した。これらの情報を用いた系統解析では、狭義トウダイグサ科3亜科はトウダイグサ亜科が単系統群、ハズ亜科が側系統群、エノキグサ亜科が多系統群であることが明らかになった。また、エノキグサ亜科に含まれるClutieae, pogonophoreae, Chaetocarpeae, Pereaeの4つの連からなる単系統群が狭義トウダイグサ科内で最初に分岐し、次にハズ亜科Micrandreae, Manihoteae, Adenoclineae, Elateriospermeaeの4つの連からなる単系統群、Gelonieae連、それ以外のハズ亜科の順序で分岐が起こった。次にトウダイグサ亜科と最初に分岐した4連を除くエノキグサ亜科からなる単系統群が分岐した。以上の系統関係は高いブーツストラップ値で支持された。これらの結果と内種皮外層の構造、内珠皮および外珠皮の維管束の有無、染色体の基本数、などの形態形質の情報を統合し、形態形質の進化の極性が明らかになった。これらの結果を日本植物学会(2003年9月、於札幌)において発表し、現在投稿準備中である。
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Research Products
(1 results)