2003 Fiscal Year Annual Research Report
植物における倍数化が虫えいの形成および形状の多様性に及ぼす影響
Project/Area Number |
15770059
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三島 美佐子 九州大学, 総合研究博物館, 助手 (30346770)
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Keywords | 倍数化 / 虫えい形成 / 多様性 / 種分化 / エンドリデュープリケーション / フローサイトメトリー / 樹脂包埋切片 |
Research Abstract |
平成15年度は、「I.虫えい形成過程の観察」のうち、「成熟した虫えいの観察」を行った。 1.様々な形状を示す虫えいを10月と2月に採集した:円錐状に突出した形状を持つホソバタブハウラツボフシ、臼状の丸い形状を持つタブノキハウラウスフシ、球状のシキミハコブフシ、ブナハマルタマフシ、シロダモハコブフシ、円盤状のブナハフクレフシ、ツブ状で葉身に平行してつくブナハウラコメツブフシ、ツブ状で葉身に直立してつくブナハカイガラフシ、脹れ状のマサキハフクレフシ、ヤブツバキハミャクフクレフシ。 2.葉身に垂直に分割した側面を肉眼で観察し、その形状により3つの型に類別した:葉身から突出し液状の厚い組織をもつ球状型、葉身から突出するがほとんど液状の厚い組織をもたない突出型、葉身がわずかに脹れるフクレ型。 3.それぞれの虫えいを葉身に垂直または水平に分割してから固定しテクノビット7100樹脂で包埋、ミクロトームによって虫えい組織と正常組織の切片を作成しトルイジンブルーで染色した後、詳細な細胞配置を観察した。例えばブナハマルタマフシでは、近接する維管束の極端な異常や虫えいへの維管束様組織の引き込みなどが観察されている。 4.今年度の成熟した虫えいの観察結果は、2004年3月13日〜15日に広島大学において開催される日本植物分類学会第3回大会で、「虫えいの形状解析-倍数化が虫えいの形成と形状多様性に及ぼす影響を探る為の予備的調査」として発表される。
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