2004 Fiscal Year Annual Research Report
立体構造情報に基づくBTG/Tobファミリー蛋白質の細胞増殖抑制機構の解明
Project/Area Number |
15770063
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
堀内 正隆 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (90322825)
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Keywords | 構造生物学 / 細胞増殖抑制因子 / BTG / Tobファミリー / X線結晶構造解析 / 蛋白質 / 蛋白質間相互作用 / 放射光 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
平成16年度はアフィニティータグとしてポリヒスチジンタグをアミノ末端側に付加したTob蛋白質(HisTob)とタグを付加していない複合体パートナー蛋白質hCaf1とを大腸菌体内で共発現させることで,両者からなる複合体を効率よく,かつ可溶性高く生産する系を開発することに成功した.このように発現した蛋白質に対してタグを指標にしたアフィニティクロマトグラフィーを適用したところ,HisTob-hCaf1複合体及びHisTob単量体の混合物を得た.これらをゲルろ過にかけて複合体のみを大量に分離し,さらにイオン交換クロマトグラフィーをかけることで,高純度の試料を精製する方法を確立した.得られた複合体を遠心濃縮機で濃縮し,シッティングドロップ蒸気拡散法を用いた結晶化を試みた.約500種類の市販の結晶化スクリーニングキットを用いて結晶化条件を探索したところ,ポリエチレングリコールを沈殿剤とし,酢酸ナトリウムを塩として含む条件において結晶が観察された.さらに結晶化条件の精密化を進めたところ,0.5mm角の単結晶を再現性よく得ることができるようになった.この結晶について放射光施設Spring-8のビームラインBL44XUにおいて回折実験を行ったところ,分解能2.6オングストロームの良好な回折斑点を得ることができた.その後,位相決定のための重原子誘導体を探索したところ,セレン,ネオジム,水銀及び白金を用いた場合にそれぞれの重原子誘導体を得ることができた.現在,これら重原子誘導体のデータセットを利用して,位相の精密化を行っているところである.
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