2003 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質複合体形成を利用したカルモジュリン依存性キナーゼの結晶化と構造研究
Project/Area Number |
15770071
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
柴田 直樹 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30295753)
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Keywords | カルモジュリン / キナーゼ / 結晶化 / X線結晶構造解析法 |
Research Abstract |
カルシウムイオン/カルモジュリン依存性キナーゼキナーゼα(CaMKKα)の結晶化を目指して、CaMKKαと抗体(IgG)または抗体フラグメント(Fabフラグメント)及びカルモジュリンとの複合体試料を用いて結晶化を行った。 互いに異なる単クローン抗体を産出する2種類のハイブリドーマを用いてマウス腹水から抗CaMKKα IgGを得た。これを硫安分画とイオン交換クロマトグラフィーによって精製した。Fabフラグメントは精製されたIgGをパパイン処理することによって得られた。2種類のIgG共に一回の調製で結晶化を行うに十分な量(10〜数10mg)を得た。 CaMKKα試料については従来行ってきた方法で調製し、一回の調製当たり約10mg程度得られた。カルモジュリンは一回の調製当たり約100mg程度得られた。 抗体との複合体調製のため、CaMKKα試料をIgGまたはFabと混合し、それを結晶化サンプルとした。結晶化スクリーニングは主に市販のスクリーニングキット10種類を用いて行った。カルモジュリンとの複合体試料とATPアナログとの複合体試料についても同様にスクリーニングを行った。 IgGを用いた場合CaMKKα単独では結晶が得られなかった条件でも針状結晶が得られた。しかし、これらはX線回折実験には適さない物であった。また、Fabを用いた場合でも同様の針状結晶が得られた他、沈澱剤として硫酸アンモニウムを用いた場合に板状結晶が得られた。SPrin-8での回折実験では回折点は得られなかったが、結晶を凍結させる条件が適切では無く氷に由来する強い反射が得られたことから適切なクライオプロテクタントの条件を選択する必要がある。それが達成されれば回折点を確認できるものと期待される。
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