2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15770078
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木原 章雄 北海道大学, 薬学研究科, 助手 (50333620)
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Keywords | スフィンゴ脂質 / スフィンゴシン1-リン酸 / 酵母 / シグナル伝達 / 脂質 / スフィンゴシンキナーゼ / 細胞内動態 / トランスポート |
Research Abstract |
フィトスフィンゴシン感受性酵母を用いたマルチコピーサブレッサー及びトランスポゾン挿入変異の単離、解析からスフィンゴ脂質関連遺伝子を多数得ることに成功した。これらはグループ分けをすると、(1)スフィンゴシンキナーゼLcb4pの活性に関与するものとして、AKR2、HMG1、HEM14、ERG5、KES1(2)スフィンゴイド塩基の輸送に関わるものとして、RSB1、PDR5 (3)細胞内スフィンゴシン1-リン酸(S1P)シグナルに関わるものとして、TPS1、WHI2、PBP1(4)その他として、RSB3、UFD4であった。これらの解析を通じて、Lcb4pはパルミトイル化、リン酸化、ユビキチン化といった翻訳後修飾を受けて複雑に調節されていることを明らかとした。また、スフィンゴイド塩基トランスポーターRsb1pを固定し、この発現が細胞膜グリセロリン脂質の非対称が損なわれる変異株中で上昇することも見いだした。 一方、動物細胞を用いた解析では、S1P分解酵素であるS1Pリアーゼ遺伝子SPLの欠損細胞をジーンターゲッティングにより、マウスF9細胞において樹立した。このSPL欠損細胞中では、細胞内S1P量は野生型の約2倍蓄積していた。SPL欠損細胞は始原内胚葉への分化が促進しており、SPLの発現は分化進行と共に上昇していたことなどから、S1Pが始原内胚葉分化に関与することが示された。細胞内S1P量は合成酵素であるスフィンゴシンキナーゼと分解酵素であるSIPホスファターゼ及びS1Pリアーゼの活性のバランスで規定されている.我々は、各臓器におけるスフィンゴシンキナーゼの分子多様性の検討を行い、未知のスフィンゴシンキナーゼの存在の可能性を示した。また、新規のS1PホスファターゼとしてSPP2を同定し、解析した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kihara, A., Igarashi, Y.: "Identification and characterization of a Saccharomyces cerevisiae gene, RSB1, involved in sphingoid long-chain base release."The Journal of Biological Chemistry. 277. 30048-30054 (2002)
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[Publications] Kihara, A., Ikeda, M., Kariya, Y., Lee, E.Y, Lee, Y.M., Igarashi, Y: "Sphingosine-1-phosphate lyase is involved in the differentiation of F9 embryonal carcinoma cells to primitive endoderm."The Journal of Biological Chemistry. 278. 14578-14585 (2003)
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[Publications] Ogawa, C., Kihara, A., Gokoh, M., Igarashi, Y.: "Identification and characterization of a novel human sphingosine-1-phosphate phosphohydrolase, HSPP2."The Journal of Biological Chemistry. 278. 1268-1272 (2003)
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[Publications] Uemura, S., Kihara, A., Inokuchi, J., Igarashi, Y.: "Csg1p and newly identified Csh1p function in mannosylinositol phosphorylce-ramide synthesis by interacting with Csg2p."The Journal of Biological Chemistry. 278. 45049-45055 (2003)
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[Publications] Kihara, A., Sano, T., Iwaki, S., IgarasKi, Y.: "Transmembrane topology of sphingoid long-chain base-1-phosphate phosphatase, Lcb3p."Genes to Cells. 8. 525-535 (2003)
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[Publications] Fukuda, Y, Kihara, A., Igarashi, Y.: "Distribution of sphigosine kinase activity in mouse tissues : contribution of SPHK1."Biochemical and Biophysical Research Communications. 309. 155-160 (2003)
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[Publications] 木原章雄, 五十嵐靖之: "酵母におけるスフィンゴイド塩基1-リン酸の役割と細胞内動態(蛋白質核酸酵素:マイクロドメイン形成と細胞のシグナリング)"共立出版. 7 (2002)