2003 Fiscal Year Annual Research Report
減数分裂期Crossover controlにおける組換え蛋白複合体の機能解析
Project/Area Number |
15770111
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
篠原 美紀 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (80335687)
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Keywords | 遺伝的組換え / 減数分裂期 / キアズマ / チェックポイント |
Research Abstract |
以前の解析から酵母ATRホモログMec1が、減数分裂期組換えおよびCrossover controlに関わっていることを示した。そこで、減数分裂期組換えに関わる組換え蛋白複合体の活性制御にMec1 Kinaseが関わっていると考え、これらの関係を明らかにすることを目的に解析を行った。 Mec1 Kinaseの標的候補としてヒストンH2A、減数分裂期特異的組換え因子Tid1、組換えに中心的な役割を果たすRad51についてMec1のリン酸化部位となりうるアミノ酸残基をアラニンに置換した変異株を作製し減数分裂期組換えおよびCrossover controlについて検討を行った。ヒストンH2Aについては、減数分裂期組換えおよびCrossover controlに欠損はみられず、Crossover controlにおけるMec1の標的ではないと考えられた。しかし、H2Aの変異株でもMec1変異株と同様に染色体構造に依存した組換えの偏り(セントロメア、テロメアで組換えが下がり、碗部中央で高くなる)がなくなることがわかった。このことからMec1はヒストンH2Aを通して組換え頻度の制御を行うことが示唆された。tid1変異株では減数分裂期組換えおよびCrossover controlに欠損はみられなかった。rad51変異株では、体細胞分裂期の組換え修復にも欠損を示すことがわかったが、減数分裂期における欠損に着いては現在解析中である。 また、tid1 mec1二重変異株を作製し詳細に解析を行った。その結果、tid1変異株の減数分裂期組換えの遅れをmec1変異が抑制することが明らかになった。そのとき本来、相同染色体間での組換えで修復されるべき減数分裂期DSBがRad51に依存した姉妹染色体間の組換えで修復されていることがわかった。このことは、Mec1がTid1/Dmc1経路の活性化に関わっていることを示唆している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Miyazaki, Toshiko, et al.: "In vivo assembly and disassembly of Rad51 and Rad52 complexes during double-strand break repair"EMBO J.. (in press). (2004)
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[Publications] Tsukamoto, Mariko, et al.: "The N-terminal DNA-binding domain of Rad52 promotes RAD51-independent recombination in Saccharomyces cerevisiae"Genetics. 165. 1703-1715 (2003)
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[Publications] Shinohara, Miki, et al.: "The mitotic damage checkpoint proteins Rad17 and Rad24 are required for repair of double-strand breaks during meiosis in yeast"Genetics. 164. 855-865 (2003)
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[Publications] Shinohara, Miki, et al.: "Crossover interference in Saccharomyces cerevisiae requires a TID1/RDH54- and DMC1- dependent pathway"Genetics. 163. 1273-1286 (2003)
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[Publications] 篠原 彰, 篠原美紀: "染色体上でのDNA鎖交換反応 相同組換えの分子メカニズムと細胞機能"細胞工学. 22. 278-282 (2003)