2003 Fiscal Year Annual Research Report
新しい細胞間情報伝達システムによるマクロファージ貪食作用の制御
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15770119
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
岡澤 秀樹 群馬大学, 生体調節研究所, 助手 (80334126)
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Keywords | 細胞間情報伝達 / マクロファージ / 食作用 / SHPS-1 / CD47 / SHP-1 |
Research Abstract |
私供が見い出している受容体型分子SHPS-1は、マクロファージに高発現を認め、細胞質領域にチロシンリン酸化部位をもち、細胞質型チロシンホスファターゼSHP-1/SHP-2と結合し細胞内にシグナルを伝えると考えられる。最近になりSHPS-1の細胞外領域の生理的リガンドとして、5回膜貫通型蛋白質CD47が同定され、私どもはCD47とSHPS-1が相互作用することで双方向性に信号を伝える新たな細胞間情報伝達システムCD47-SHPS-1系を構成することを明らかにしつつある。これまでにCD47のノックアウトマウスを用いた検討から、CD47とSHPS-1の相互作用が、マクロファージによる赤血球貪食に対し抑制的に働くと想定されいるが、その分子機構は未だ明らかではない。CD47-SHPS-1系によるマクロファージ貪食作用の制御機構を明らかにする目的で研究をすすめ、本年度は以下の結果を得た。 1.すでに作成済みであるSHPS-1ノックアウトマウスでは、オプソニン化された赤血球の腹腔マクロファージによる貪食の亢進を認めた。またCD47とSHPS-1の阻害抗体投与やsiRNAを用いたSHPS-1のノックダウンで野生型マクロファージにおいても赤血球の貪食亢進をみとめ、CD47-SHPS-1系はマクロファージによる赤血球貪食に対して負に制御する機構であると考えられた。 2.野生型及びSHPS-1ノックアウトマウスの脾臓よりRNAを調整しマイクロアレイ解析を行い、SHPS-1ノックアウトマウスにおいて発現が低下している遺伝子群を同定した。 3.マウスマグロファージ系株細胞RAW細胞に変異型SHPS-1を発現させると、貪食能が亢進することを見い出した。 現在、上記マウス由来マクロファージやRAW細胞を用いてマクロファージ貪食に関わる細胞内シグナルに関して検討をすすめている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ito, T.et al.: "Interaction of SAP-1, a Transmembrane-type Protein Tyrosine Phosphatase, with the Tyrosine Kinase Lck : Roles in Regulation of T Cell Function."The Journal of Biological Chemistry. 278巻・37号. 34854-34863 (2003)
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[Publications] Motegi, S.et al.: "Role of the CD47-SHPS-1 System in Regulation of Cell Migration."The EMBO Journal. 22巻・11号. 2634-2644 (2003)
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[Publications] Ohe, Y.et al.: "Characterization of nucleotide pyrophosphatase-5 as an oligomannosidic glycoprotein in rat brain."Biochemical and Biophysical Research Communication. 308巻・4号. 719-725 (2003)
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[Publications] Sato, R.et al.: "Regulation of multiple functions of SHPS-1, a transmembrane glycoprotein, by its cytoplasmic region."Biochemical and Biophysical Research Communication. 309巻・3号. 584-590 (2003)
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[Publications] Fukunaga, A.et al.: "SHPS-1 regulates the migartion of langerhans cells from the epidermis to draining lymph node."Journal of Immunology. (印刷中). (2004)