2003 Fiscal Year Annual Research Report
胚性幹(ES)細胞から血管内皮細胞への分化におけるTGF-βシグナルの機能解析
Project/Area Number |
15770121
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡部 徹郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00334235)
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Keywords | 血管新生 / TGF-β / claudin-5 / 再生医学 |
Research Abstract |
胚性幹(ES)細胞からの血管分化におけるTGF-βシグナルの役割 血管の発生は中胚葉細胞からhemangioblastと呼ばれる血管・血球共通の前駆細胞が分化することにより始まると考えられている。近年の知見によりES細胞から分化したFlk-1等を発現する血管内皮前駆細胞(endothelial progenitor cells:EPCs)が血管内皮細胞と壁細胞へと分化することにより新生血管の形成に関与することが示された。TGF-βシグナル因子の欠損は血管発生の異常を引き起こすことが示されているが、我々はEPCの増殖・分化におけるTGF-βシグナルの役割を検討するために、ES細胞由来のFLK-1陽性細胞が血管細胞へと分化する系を用いた。 FLK-1陽性細胞をVEGF-A存在下で培養するとシート状の血管内皮細胞と壁細胞へと分化する。そこにTGF-βまたはアクチビンを加えると血管内皮細胞のシート形成が阻害され、血管内皮細胞と壁細胞の増殖が抑制された。次に、内因性のTGF-βとアクチビンシグナルを抑制するためにALK-4,-5,-7受容体の特異的キナーゼ阻害剤であるSB-431542を添加したところ内皮細胞の増殖とシート形成が促進された。またSB-431542は血管内皮細胞特異的なタイトジャンクション構成因子であるclaudin-5の発現を上昇させた。またマウス初期胚由来のFLK-1陽性細胞を用いても同様の結果が得られた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Murakami G, Watabe T, Takaoka K, Miyazono K, Imamura T.: "Cooperative inhibition of bone morphogenetic protein signaling by Smurf1 and inhibitory Smads."Mol Biol Cell.. 14. 2809-2817 (2003)
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[Publications] Takebayashi-Suzuki K, Funami J, Tokumori D, Saito A, Watabe T, Miyazono K, Kanda A, Suzuki A.: "Interplay between the tumor suppressor p53 and TGF beta signaling shapes embryonic body axes in Xenopus."Development. 130. 3929-3939 (2003)
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[Publications] Watabe T.Nishihara A, Mishima K, Yamashita J, Shimizu K, Miyazawa K, Nishikawa SI, Miyazono K.: "TGF-b receptor kinase inhibitor enhances growth and integrity of embryonic stem cell-derived endothelial cells."J Cell Biol.. 163. 1303-1311 (2003)