2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15770126
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
天野 睦紀 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (90304170)
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Keywords | Rho / 細胞極性 / 細胞遊走 / Rho-kinase / ミオシン |
Research Abstract |
細胞の極性形成や形態変化は細胞膜を裏打ちする細胞骨格や接着のダイナミックな再構築によって担われている。細胞の分化や形態変化、遊走、極性形成に伴い微小管やアクチン繊維がダイナミックに再構築されることが知られているが、その制御メカニズムについては理解されていない部分も多い。 本研究ではRhoファミリーやそのエフェクター分子(Rho-kinaseやMBSなど)による微小管やアクチン線維の再編成の制御機構を明らかにすることを試みる。また、微小管、アクチン繊維の再編成と細胞の極性形成機構や遊走機構の関係を明らかにすることも目的とする。 申請者はこれまでに、Rhoとそのエフェクター分子であるRho-kinase, myosin phosphataseがミオシンIIのリン酸化レベルを調節することで細胞骨格の調節に重要な役割を果たすことを示してきた。Rho-kinaseの阻害剤は、細胞の収縮や遊走を抑制することで血管攣縮や動脈硬化の改善に効果が有ることが報告されているが、in vitroでのRho-kinase阻害剤の細胞遊走に及ぼす影響については統一した見解が得られていなかった。そこで、Rho-kinase阻害剤の細胞遊走に及ぼす影響を種々の細胞種で解析したところ、Rho-kinase阻害剤はマクロファージ、平滑筋細胞、血管内皮細胞の遊走を阻害するが、線維芽細胞や上皮細胞の遊走は阻害しないことが分かった。さらに、ミオシンII阻害剤を用いても同様の傾向が認められたことから、Rho-kinaseとミオシンIIの細胞遊走に果たす役割が細胞種によって異なることが示唆された。今後、その分子機序を明らかにすることを試みる。 また、アフィニティクロマトグラフィー法によりRho-kinase相互作用分子としてミオシンIIを同定した。ミオシンIIはRho-kinaseのC末端領域と結合し、Rho-kinaseの細胞内局在にも関与していることを示唆するデータを得た。
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Research Products
(4 results)