2004 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュ神経系形成におけるWntシグナル活性化因子Ccd1の機能解析
Project/Area Number |
15770137
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
塩見 健輔 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助手 (00311598)
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Keywords | Wntシグナリング / DIXドメイン / CHドメイン / ゼブラフィッシュ / マウス |
Research Abstract |
Wntシグナル伝達機構は、多細胞生物の発生時の軸形成や分化・誘導、シナプス形成に重要な役割を果たすことが知られている。。我々は昨年度までにゼブラフィッシュccd1(coiled-coil DIX 1)を単離し、Ccd1がWntシグナル(β-catenin経路)を活性化して、神経系のパターン形成に重要な役割を果たすことを示した。またゼブラフィッシュccd2(Zccd2)およびマウスccd1(Mccd1)を単離し、Ccd1にはアミノ酸構造の異なるサブタイプ(Ccd1A,B,C)があることを明らかにした。 今年度はこのCcd1のサブタイプ(Ccd1A,B,C)の発現解析および機能解析を行なった。まず、マウス胚におけるMccd1の局在をin situ hybridization法やRT-PCR法を用いて検討した。MCcd1は初期胚で、神経堤細胞由来の組織、および分化した神経細胞等で強く発現していた。また成獣においては脳、精巣等で強く発現していることがわかった。次に、Hela細胞に強制発現させて、タンパク質の局在、およびWntシグナル伝達系に与える影響を調べた。その結果、CHドメインを持つCcd Aはactin stress fiberと局在が一致すること、Ccd BおよびCcd Cはcytoplasmic vesicleに局在することが明らかになった。またMCcd1タンパク質は、Dvlと共存することでWntシグナル活性をより上昇させる働きがあることが判明した。現在は、Ccd1がDvlやAxin等の細胞内局在を変化させるかどうか、およびCcd1 AがActinと結合するかどうかを検討中である。またゼブラフィッシュ胚においてZccd2の過剰発現を行い、その表現型を解析し、Zccd2の生体内での機能を明らかにしようとしている。
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Research Products
(1 results)