2003 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入ゼブラフィッシュを用いた前脳形成に関わる遺伝子の遺伝学的スクリーニング
Project/Area Number |
15770138
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
二階堂 昌孝 埼玉大学, 理学部, 助手 (70344950)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 前脳 / 端脳 / 間脳 / dlx2 / 遺伝学的スクリーニング |
Research Abstract |
脊椎動物の中枢神経系は、前後軸に沿って形成されるいくつかの領域を単位として分化する。本研究は特に前脳領域(ヒトにおいては大脳、間脳に相当)に着目し、ゼブラフィッシュを用いた遺伝学的スクリーニング法により、この領域の分化機構を遣伝子レベルで解明することを目的としている。また、スクリーニングにおいては、従来行われてきた形態観察やin situ hybridization法の他に、前脳のある特定の領域に蛍光タンパク質(GFP)を発現する遺伝子導入魚を作成し、その蛍光観察による迅速なスクリーニングを行うことを特色としている。 今年度の研究においては、まず研究計画にある通り、dlx2(端脳腹側に発現),emx1(端脳背側に発現)の転写制御領城にgfp遺伝子を連結した融合適伝子を導入した魚の作成を行った。その結果、前脳部において両遺伝子の発現パターンを模倣する蛍光パターンを示す遺伝子導入魚の作成に成功した。現在、ホモ化した魚を作成中であり、これらが成熟次第、変異原処理を行う予定である。また、遺伝子導入魚を作成する間に、通常の野生型個体に対して変異原処理を行った。これに関しては既に雑種第2代(F2)が作成されており、形態観察、及びdlx2プローブを用いたin situ hybridization法によるスクリーニングを開始した。現在までのところ、30ファミリーのF2についてのみ、スクリーニングが終了している段階であるが、既に4系統の変異体が単離されており、そのうちの1系統は、本研究の目的である前脳部のパターン形成に異常をきたす変異体であった。 来年度は野生型個体に対するスクリーニングをさらに進めるとともに、遺伝子導入魚に対する変異原処理も行う予定である。また、得られた変異体に対しては詳細な記載を行い、原因遺伝子の同定に向けて研究を進めていきたいと考えている。
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