2004 Fiscal Year Annual Research Report
マウス胚の前後軸決定機構におけるWntシグナルの役割
Project/Area Number |
15770151
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
吉田 千春 独立行政法人理化学研究所, ボディプラン研究グループ, 研究員 (60360666)
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Keywords | Otx2 / ホメオボックス / 前方臓側内胚葉 / 転写制御 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
マウスOtx2遺伝子は、ショウジョウバエのorthodenticleのマウス相同遺伝子で、ホメオドメインを持つ転写因子として働いている。その遺伝子欠損マウスやキメラマウスなどの表現型の解析から、Otx2遺伝子は前方臓側内胚葉で頭部誘導に重要であることが報告されている(Matsuo et al., 1995; Rhinn et al., 1998; Kimura et al., 2000)。この前方臓側内胚葉は、マウスにおいて、前方誘導の「前方化シグナリングセンター」として働いていることが報告されている(Beddington and Robertson et al., 1999)。 我々は、前方臓側内胚葉形成の分子機序を解明するため、Otx2遺伝子の発現制御機構を解析した。以前、我々は、マウスOtx2遺伝子の前方臓側内胚葉における発現を担う領域が、翻訳開始点から上流-1.8kb以内に存在することを報告した(Kimura et al., 2000)。そこで、まず上流-1.8kb領域の段階的欠失コンストラクトを構築し、トランスジェニックマウスを作成し発現解析することで、発現に必須な領域を決定した。さらに、マウス以外のヒト、ニワトリ、フグのOtx2遺伝子をクローニングし、それらのゲノム領域における前方臓側内胚葉の特異的な発現調節領域を同定した。それぞれの種における塩基配列を比較することによって、前方臓側内胚葉の発現に必須なモチーフを明らかにした。さらにこのモチーフを介して、Otx2遺伝子の前方臓側内胚葉での発現調節に働く転写因子を見いだした。
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Research Products
(3 results)