2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15780009
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Research Institution | 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 |
Principal Investigator |
高原 学 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 畜産草地研究所・飼料作物開発部, 研究員 (90355123)
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Keywords | アポミクシス / ギニアグラス / Panicum maximum / マイクロアレイ / 胚発生 / 定量PCR / アポスポリー |
Research Abstract |
アポミクシスは無性的に種子が形成される生殖様式で、主要作物に導入すればそれらの育種種子生産を画期的に進歩させると期待される。アポミクシスを利用するためには、アポミクシス胚発生の全体像を遺伝子レベルで理解し、そこへ特異的に関わる遺伝子を単離・同定することが重要と考えられる。そこで本研究では、ギニアグラスを材料として、アポミクシス胚の形成に関わる遺伝子をマイクロアレイ法により網羅的に特定し、その機能を解明することを目的とする。 これまでのマイクロアレイ解析では、アポミクシス個体の未熟花穂で特異的に発現が上昇するクローンの候補を30以上得たものの、走量PCRによる検証ではアポミクシス特異的なクローンを確認できず、今後は個体差を相殺するbulk segregant analysis(BSA)法の応用が有効であると示唆された。そこで今年度はBSA法を用いてマイクロアレイ解析を行い、アポミクシス胚発生時に発現の上昇または減少するクローンの特定を行った。ターゲットとしては、アポミクシス型の生殖様式を持つギニアグラスの花穂由来cDNAライブラリー(約4600クローン)を用いた。またハイブリダイズさせるプローブには、ギニアグラス「ナツカゼ」(アポミクシス)と「農1号」(有性生殖)の交雑後代のうち、アポミクシスと有性生殖それぞれ4個体の未熟穂から抽出・合成したcDNAを、それぞれ混合したものを用いた。 解析の結果、スポットされた4608個のクローンのうち、有性生殖に比ベアポミクシスで発現が2倍以上に上昇しているものが38クローン、逆に1/2以下に減少しているものが29クローン検出された。現在これらのクローンの塩基配列決定と定量PCRによる検証を進めており、有望なクローンについてさらに系統間・時期・部位による発現変化の解析を進める予定である。
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Research Products
(2 results)