2004 Fiscal Year Annual Research Report
Prunus属果樹における配偶体型自家不和合性関連因子の同定
Project/Area Number |
15780023
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
羽生 剛 京都大学, 農学研究科, 助手 (60335304)
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Keywords | 配偶体型自家不和合性 / Prunus属 |
Research Abstract |
オウトウ,ウメ等のPrunus属果樹の多くは配偶体型自家不和合性を示す.これまでの研究によりPrunus属果樹の配偶体型自家不和合性は単一の複対立遺伝子である5遺伝子によって支配されており,その5遺伝子座には少なくとも2つの遺伝子(花柱側5遺伝子,花粉側5遺伝子)が座乗しており,そのうちの花柱側S遺伝子はS-RNaseと呼ばれるリボヌクレアーゼ活性をもった塩基性糖タンパク質であることが明らかとされている.さらに,近年これまで未同定であった花粉側因子の候補としてSFB (S haplotype-specific F-box protein)が同定された.このことからPrunus属果樹の配偶体型自家不和合性にはユビキチン-プロテアソーム系の反応が関係していることが示唆された.そこで本研究では,Prunus属果樹の配偶体型自家不和合性の花粉側因子候補遺伝子であるSFBとユビキチン-プロテアソーム系のE3リガーゼであるSCF複合体を形成すると思われる各サブユニット,Skp1,cullin,Rbx1とコードする遺伝子の同定を試みた.昨年度同様にウメを用いてこれまで単離されているSkp1遺伝子の塩基配列から様々なプライマーを設計してSkp1様遺伝子の単離を試みたが,特異的な増幅産物は得られなかった.ウメ以外に樹種を変えて行ってもみたが,設計したプライマーがよくなかったのか,Skp1の単離には至らなかった.また,他のサブユニットであるcillin様遺伝子やRbx1様遺伝子もプライマーを設計し,単離を試みたが,これらも特異的な増幅産物が得られなかった.今後は別のアプローチも含めた実験方法の再検討が必要であると思われた.
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