2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規に関発した超微小茎頂分裂組識培養による難除法病原体フリー個体の作出とその評価
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15780024
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
細川 宗孝 京都大学, 農学研究科, 助手 (40301246)
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Keywords | キクわいかウイロイド(CSVd) / 超微小茎頂分裂組織培養法 / 日長反応性の攪乱 / キククロロティックモトルウイロイド / 難除去性病原体 / キク / 開花反応 / ウイロイド |
Research Abstract |
キクの難除去性病原体であるキクわいかウイロイド(CSVd)に関しては現在までほとんどフリー化の報告がない。そこで、研究代表者が考案した超微小茎頂分裂組織培養法を適用し、CSVdフリーのキク植物体を作出した。作出率は3%程度であったが、超微小茎頂分裂組織培養法を繰り返し適用することで、作出率が10%以上に向上した。また、新しくキククロロティックモトルウイロイド(CChMVd)がわが国のキクにも感染していることを発見し、CChMVdに関しても本法を適用し、フリー化に成功した。両ウイロイドの除去に成功したことから、本法が難除去性病原体のフリー化に有効な手段であることが示された。 また、作出したCSVdフリーのキクでは一部の品種で、開花のための日長感応性に大きな変化が認められた。すなわち、日長感応性を示さず四季咲き性であった品種をフリー化したところ、明らかな日長反応性が認められ短日開花性を示した。また、CSVdをフリー化したキク植物体に接ぎ木によってCSVdを再感染させたところ、再び日長反応性を示さなくなった。本研究から、CSVdがキクの日長反応性を攪乱させている可能性があることを認めた。その際、生体内のCSVd濃度とキクの開花特性の変化は量的関係ではなく、CSVdが一定の濃度以上になって初めて日長反応性の攪乱が起こることを認めた。さらに、様々な品種に人為的にCSVdを感染させ、その開花に対する日長反応性を調査したところ、開花が早まるもの、遅くなるもの、変わらないものに分けることができた。 mRNAをコードしないCSVdはsiRNAとしてキクの開花反応を攪乱させている可能性も考えられ、メカニズムの解明が急がれる。
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Research Products
(3 results)