2003 Fiscal Year Annual Research Report
RNAiによるマルチウイルス耐性遺伝子組換え植物の開発に関する研究
Project/Area Number |
15780034
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山次 康幸 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40345187)
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Keywords | RNAi / Tobacco mosaic virus / Potato virus X / VIGS |
Research Abstract |
(1)単細胞RNAi法の確立を目的として、細胞内でdsRNAを発現するようなinverted repeat(IR)配列を含んだDNA配列の細胞内導入によるRNAiの効果を調べた。モデルとなる標的遺伝子としてタバコのポリアミン合成に必要なアルギニンデカルボキシラーゼ(ADC)遺伝子を用い、その3'末端側領域をIRとなるように改変してベクターに挿入し、細胞内にパーティクルガンで撃ち込んだところ、IR配列を導入しなかった場合に比べて、導入2〜3日後でADCの発現低下が観察されたが、その程度が不十分であった。IR導入によるdsRNAの発現量が十分では無い可能性が考えられたため、次にIR発現ベクターと同様の配列から生じたdsRNAの導入を行ったが、その場合にも明瞭なRNAi効果が得られなかった。原因としてRNAの導入効率が悪い可能性が考えられ、この系で単細胞RNAi法を確立することが困難であることが示唆された。 (2)単細胞RNAi系の構築が困難であることが明らかになったので、次にウイルスベクターによる簡便なRNAi誘導系であるvirus-induced gene silencing(VIGS)を利用することとした。RNAi誘導ウイルスベクターとしてPotato virus X(PVX)を用い、標的遺伝子としてカロテノイド合成に必要なPhytoene desaturase(PDS)遺伝子の一部をPVX cDNAに組み込み、タバコ属植物に感染させたところ、3週間後にPDSのRNAiの指標となる葉の白色化が認められた。VIGSによりRNAi誘導が可能であることが明らかになったため、次にTobacco mosaic virus(TMV)の配列の一部をPVXベクターに導入して感染させ、RNAiが起こっている葉にTMVを接種したところ、TMVの増殖量の明瞭な低下が確認された。現在はこの系を用いて、ウイルスゲノムにおける配列特異性、およびその最小配列(MRR)を解析している。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Shimizu, T., Yamaji, Y., Ogasawara, Y., Hamada, K., Sakurai, K., Kobayashi, T., Watanabe, T., Hibi, T.: "Interaction between the helicase domain of the Tobacco mosaic virus replicase and a tobacco arginine decarboxylase."Journal of General Plant Pathology. in press. (2004)