2004 Fiscal Year Annual Research Report
含硫補因子の生合成に関与するタンパク質の同定および作用機序の解明
Project/Area Number |
15780058
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
加藤 伸一郎 高知大学, 遺伝子実験施設, 助手 (60346707)
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Keywords | システイン / 含硫化合物 |
Research Abstract |
生体内にはチアミン、ビオチン、リポ酸など硫黄原子を含む補酵素・補因子が数多く存在している。しかしながら、これらの生合成機構に関しては未解明な点が多く残されている。近年、鉄-硫黄クラスターの形成にペルスルフィドが関与することが明らかになったが、他の含硫補酵素の生合成についてもペルスルフィドが関与する、同様の生合成機構が存在している可能性がある。そこで本研究では、ペルスルフィドなどの活性型硫黄の転移に関与するタンパク質を網羅的に検出・同定するとともに、含硫補酵素の生合成機構の解明を試みた。昨年度の報告の通り、これまでに大腸菌MG1655の無細胞抽出液に、ペルスルフィド保持能を有すると思われる未同定タンパク質(70kDa、40kDa、25kDa)を見いだした。これらのタンパク質では、DTTなどの還元剤存在下において、^<35>Sによる標識シグナルが消失することを確認している。これらのタンパク質の同定を、MALDI-TOF質量分析計を用いて、ペプチドフィンガーマッピング法により解析をおこなった。二次元電気泳動後のスポットの同定は可能であったが、量的に極めて微量であり同定するには至っていない。現在、離汁エンドペプチダーゼを用いて、ゲル内消化を行い、生じたペプチドを単離して直接アミノ酸シークエンサーにて解析を試みている。加えて、サンプルの調製方法の再検討を行っている。また、SH試薬を用いた解析から、この活性型硫黄の授受には、システイン残基の関与が強く示唆された。
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