2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15780059
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
後藤 正利 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (90274521)
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Keywords | Aspergillus / O-glycosylation / mannosyltransferase / pmt |
Research Abstract |
麹菌の類縁菌であるAspergillus nidulansのO-グルコシド結合型糖鎖合成の初発反応を触媒するprotein:O-D-mannosyltransferase(PMT)をコードする3種のpmt遺伝子(pmtA,pmtB,pmtC)をクローニングし、それらの構造を明らかにした。また、PMTによってマンノース付加したペプチド-マンノース鎖に、さらに二残基目のマンノース残基を転移するα-mannosyltransferaseをコードすると推定される3種のmnt遺伝子(mntA,mntB,mntC)をクローニングし、それらの構造を明らかにした。ついでpmt及びmnt遺伝子群の発現様式を検討した。その結果、pmtA,pmtB,pmtCは菌の成長に伴って構成的に発現し、菌の生育に重要であることが示唆された。mnt遺伝子の発現に関して、mntAとmntCはそれぞれ菌の成長初期に特異的に発現しており、mntBは培養後期に特異的に発現していた。また、mntBの発現は蛋白質合成阻害剤によって強く誘導され、mntBはmntA,Cとは本菌における役割が異なることが示唆された。 pmtA遺伝子破壊株を構築し、菌の形態観察を行った。pmtA破壊株では、温度感受性、菌糸伸長の抑制、分生子形成能の低下、細胞壁結合薬剤に対する高い感受性等の多様な表現型の変化が認められた。さらに細胞壁成分を調べた結果、細胞壁基本骨格を形成するβ-1,3-グルカン量が減少しており、pmtAが細胞壁合成システムに関与していることが示唆された。 一方、mnt遺伝子の酵素機能と基質特異性を明らかにするため、同遺伝子群を酵母菌及び大腸菌にて発現させた。酵母菌では宿主プロテアーゼにより分解され、予想より低分子の発現産物しか得られなかった。一方、大腸菌では予想される分子量の可溶性蛋白質として発現産物を得た。マンノースを基質とした活性測定では活性は認められず、現在酵素活性の有無と基質について検討を行っている。
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Research Products
(1 results)