2004 Fiscal Year Annual Research Report
構造未知ファミリーに属する糖質分解・転移酵素のX線結晶構造解析
Project/Area Number |
15780067
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伏信 進矢 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00302589)
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Keywords | アラビノフラノシダーゼ / キトビオースホスホリラーゼ / X線結晶構造解析 / 構造生物学 / タンパク質工学 / 糖質分解酵素 / セロビオースホスホリラーゼ / 加リン酸分解酵素 |
Research Abstract |
最終的に3種の新規な立体構造を決定することに成功し、それらの結晶化および結晶構造に関する国際誌への投稿論文を4報発表した(J.Biol.Chem.,Strcture, Acta Cryst)。また、研究成果を日本農芸化学会大会、応用糖質科学会などの国内学会で発表した。さらに、国際学会でも発表予定である。 GH-54α-L-アラビノフラノシダーゼは、分解能約1.8ÅでMIR法により構造決定した。本構造は同ファミリーでは世界初の立体構造であり、触媒ドメインと糖質結合ドメインに分かれることが分かった。触媒ドメインは、既知の酵素とは大きく異なるフォールドを取っていたが、反応産物との複合体構造と変異体解析により、活性中心を特定できた。一方、糖質結合ドメインは基質の側鎖のみを認識することが明らかになり、このドメインの新規な構造・機能および存在普遍性から、新たな糖質結合ドメイン(CBM42)と認定された。現在、CBM-42の機能解析に関する投稿論文を準備中である。 GT-36キトビオースホスホリラーゼの結晶構造は、1.6Å分解能でMAD法により決定した。本構造も、同ファミリーでは世界初の立体構造であった。また、基質との複合体構造から、反転型加リン酸分解酵素の反応機構が解明された。本酵素の立体構造と反応機構は、数種の糖加水分解酵素と有意な相同性を示すことが明らかになったために、GT-36は糖転移酵素群から糖加水分解酵素群の新たなファミリーであるGH-94に再分類されることが決定した。さらに、同ファミリーに属するもう一つの酵素(セロビオースホスホリラーゼ)も、分解能2.1ÅでMR法により立体構造を決定し、活性中心の詳細を明らかにした。現在、これらの酵素の基質特異性の変換を目指した変異体を作成中である。
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Research Products
(4 results)