2003 Fiscal Year Annual Research Report
アスパルターゼ機能発現部位における構造変化機構の解明
Project/Area Number |
15780069
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 知実 京都大学, 化学研究所, 助手 (50260617)
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Keywords | 構造生物学 / X線結晶解析 / アスパルターゼ / 耐熱性 / 立体構造 / 結晶構造 |
Research Abstract |
中等度好熱菌Bacillus sp.YM55-1由来アスパルターゼの分解能2.5Åでの精密分子構造と類縁酵素とを局所構造比較の手法により検討し検出した構造差異領域のうち、Gly223〜Glu241とVal265〜Asp272の2箇所の領域が、大腸菌由来アスパルターゼにおけるアスパラギン酸とマグネシウムイオンによる酵素反応へのアロステリック効果発現に関与している可能性が示唆された。これらの領域の構造変化がどのようにアロステリック効果の発現に作用しているかは不明であるが、今後これらの部位に着目した生化学的実験を行う指針となりうる。さらに、Bacillus YM55-1由来アスパルターゼの基質分子結合モデルと類縁酵素の基質フリー構造および基質類似物結合複合体構造との詳細な構造比較を行うことによって、フレキシブルなループであるGly317〜Pro322の領域が反応遂行のために重要な役割を担っていることが示唆された。類縁酵素での部位特異的変異体実験の結果を考え合わせることで、特にこのループ中のSer318とSer319が、活性部位に結合した基質分子に相互作用することが示唆されることが判明した。より良質で高分解能の回折強度データを得るため、結晶化条件検索の検討をさらに広範囲の条件で行った。また、基質類似物複合体結晶を得ることを目的として、基質類似物数種類との共存下での結晶化の条件検索の検討を行った。
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