2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15780090
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Research Institution | Akita Prefectural Agriculture, Forestry and Fisheries Research Center |
Principal Investigator |
畠 恵司 秋田県総合食品研究所, 生物機能部門, 主任研究員 (80360353)
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Keywords | 色素細胞 / 分化誘導 / Lupeol / メラノソーム輸送タンパク質 |
Research Abstract |
メラニン色素は細胞内小器官であるメラノソーム内で合成され、メラノソーム単位で色素細胞の樹状突起先端部より、周辺の細胞に分泌される。当該研究課題において、これまでlupeolを始めとしたルパン型トリテルペンに、色素細胞株のひとつであるB16 2F2メラノーマ細胞のメラニン産生能を亢進することを見出し、その作用メカニズムを明らかにした。また、メラノソームの輸送・細胞外分泌の際に重要となるアクチン骨格の再構成に基づく、樹状突起伸長をlupeolが誘導することも解明した。本年度は、メラノソーム輸送を担うモータータンパク質(Myosin V)やメラノソームとアクチンレールとの連結タンパク質(Rab27a)の発現に対するlupeolの影響を検討した。結果、lupeolは24時間以降B16 2F2細胞のMyosin VおよびRab27aなどのメラノソーム輸送タンパク質の発現を亢進した。アクチン束であるストレスファーバーの消失ならびに樹状突起はlupeol処理後4時間以降に観察され、メラニン合成酵素であるtyrosinaseの発現は24時間以降に観察された。これらの結果より、lupeol処理によるB16 2F2細胞の分化誘導では、樹状突起伸長が最初の現象として誘導され、tyrosinaseやメラノソーム輸送タンパク質の発現亢進が続くと考えられる。また、今年度の研究成果として、マウス新生児よりメラノサイトの単離を行った。実際のlupeolによる色素細胞分化誘導を解明する上で、役立つものと考えられる。
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Research Products
(2 results)