2003 Fiscal Year Annual Research Report
ハイアミロース、ワキシー、分級粉等の国産小麦の製パン及び製麺への利用に関する研究
Project/Area Number |
15780100
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
前田 智子 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助手 (00346298)
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Keywords | 分級小麦粉 / ハイアミロース / ワキシー / 製パン性 / 製麺性 / ドウ / 澱粉 / 酵素 |
Research Abstract |
近年、我が国では食材の自給率の改善を目指し、農薬汚染の少ない国産小麦粉の調製の見直しと、食品材料の無駄をなくし、且つ安全で美味しさをもたらす効率的な加工技術の確立が求められている。本研究ではこれらの問題に対し改良型酒米用搗精機を用いて調製する分級小麦粉や新奇小麦粉であるハイアミロース、ワキシー小麦粉などの製パンおよび製麺特性について検討を行った。その結果、これらの国産小麦粉の製パンへの利用は、その単独使用では比容積の面からは製パンに不充分であることがわかった。そこで、分級粉を通常に製粉された農林61号(N61)に10%代替するとヘミセルラーゼとの併用により、製パン性はN61よりも明らかに改善された。また、代替量を増加した場合、最適水分量とペントサナーゼおよびセルラーゼの添加により、N61単独よりも顕著に老化抑制効果が認められた。ドウ中の澱粉粒子は伸展性のあるグルテン組織に囲まれ、発酵中の膨化も促進され、焼成後のパン中には充分な澱粉の糊化が観察された。また、ワキシー小麦粉を通常小麦粉のヘルメスに一部代替すると、その代替量の増加に伴い、パンクラムを軟らかくし、パンの内相の状態も改善された。特に、40%の代替ではヘルメスよりも比容積を増加させ、かつ粘着性が改善された。更にワキシーは保存中のパンクラムの老化を抑制し、再加熱により軟らかさを取り戻し、新鮮さの回復を促進した。一方、製麺試験の結果では、ハイアミロースやワキシー小麦粉を通常強力粉1CWに等量混合したパスタは色調的にデュラム小麦粉100%のものと近い値を示した。また、ハイアミロースを50%含むパスタの物性はデュラム100%と同程度であった。Cooking lossについてもハイアミロース添加のパスタは1CWおよびデュラム100%よりも小さな値を示し、茄で麺の崩れを抑制し、ハイアミロースのパスタへの利用の有用性が明らかとなった。以上の結果より、これらの国産小麦粉は通常粉への一部代替と改良剤の添加ならびに調製方法の工夫により、最終製品の品質を改善し、新規なテクスチャーをもたらす新しい食品素材であり、多様な加工食品への実際利用が可能であると期待された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] N.Morita, et al.: "Textural properties and microscopic observation of noodle made from various novel wheat flours."Proceedings of the 53rd RACI Cereal Chemistry Division Conference, Adelaide, Australia. 53(in press). (2004)
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[Publications] T.Maeda, et al.: "Comparison of baking properties between polished wheat flours and commercial whole grain flours."Proceedings of the 53rd RACI Cereal Chemistry Division Conference, Adelaide, Australia. 53(in press). (2004)
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[Publications] W.Diana, et al.: "Effects of enzymes on bread qualities made from graded flours prepared by polishing wheat grains."Proceedings of the 12th Indonesian Scientific Meeting, Osaka, Japan. 12. 359-364 (2003)