2003 Fiscal Year Annual Research Report
炭素の年代測定による森林から河川への溶存有機物の流出機構の解析
Project/Area Number |
15780113
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木平 英一 名古屋大学, 環境学研究科, 助手 (70345867)
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Keywords | ^<14>C / DOC / 森林生態系 / 琵琶湖 / 起源推定 / 濃縮方法 |
Research Abstract |
1)渓流水の採取 琵琶湖集水域において、夏季の期間に10箇所の渓流で試料を採取した。これまでの申請者の観測によって、渓流の溶存有機物濃度は琵琶湖南部の森林で高く、琵琶湖東部の森林で濃度が低いことがわかっているので、この2地域を中心にサンプリングを行った。 2)濃縮方法の検討 濃縮は、現有の凍結乾燥装置を用いて行った。凍結乾燥は、有機物の変質を防ぐ理想的な方法であるが、1試料の濃縮に2週間以上の期間が必要であった。多くの試料を処理することは現実的には不可能であったので、短時間で濃縮できるロータリーエバポレーターでも濃縮を行い、濃縮の最終段階で凍結乾燥を用いる方法を採用することにした。 3)放射性同位体比の測定 濃縮した試料は、石英管に封入し、1000℃程度で燃焼させ、CO2に変換する処理を行った。ただし、試料に含まれる成分(おそらく塩分)が、石英ガラスと反応してしまい、石英ガラスが変質、破損する場合が多いことが判明した。どの試料が破損するかは予測不能であり、試料の破損は長時間かけて濃縮した試料が失われることとなるので、燃焼条件の変更、再検討が必要となった。現在のところ、1000℃より低温で燃焼させる方法と、閉鎖系ではなく、ヘリウムガスを流しながらフロ-システムで燃焼させ、生成したCO2をトラップする方法の2つを検討中である。
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