2004 Fiscal Year Annual Research Report
農家ミクロ・パネルデータによる農地の利用と調整に関する日中国際比較研究
Project/Area Number |
15780149
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
仙田 徹志 香川大学, 農学部, 助手 (00325325)
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Keywords | 農家行動 / 日中比較 / 農地利用 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下の通りである。 第一に、分析に用いる中国側の農家のデータセットであるMHTSパネルデータセットを用いて、中国農家の農地利用行動として、農地賃貸借である転包を対象に、その意思決定と生産性向上効果、および農地地代の地代水準の規定要因分析を実施した。 第二に、MHTSパネルデータセットのデータセットである、企業調査、村経済調査については、公刊されている既存統計資料との比較をとおしてデータ特性の把握を行った。また企業調査については前年度に完成させた、1995年から2001年のパネルデータセットを用いて、郷村企業の民営化のパフォーマンスの変化について、計量的に分析した。 第三に、香川県農業会議による特別の許可によって利用可能となった、「農地利用に関する農家意向調査」のうち、1市2町の農家個票と一筆調査を利用して、農家の農地利用と農地利用調整機関への調整希望の意向に関する計量分析を、一筆単位で行った。 第四に、中国については前年度に引き続きSARS禍と新たに鳥インフルエンザ禍によって、カウンターパートから当局のアレンジが難しく農村調査の自粛を求められたので、次年度に行うことにした。カウンターパートが3月に来日したので、次年度調査の打ち合わせを行った。したがって計画を前倒しし、日本農家の農地利用調整問題の研究準備を行うこととした。今年度は農地利用調整問題のうち、中山間地における直接支払制度の執行状況の現地調査と、そこで行われている放牧に注目し、農家の土地利用の意向調査の分析するために、同調査のデータ入力によりデータセットの構築を行った。 第五に、以上の研究成果を、学会誌への投稿や、学術図書としての原稿としてとりまとめた。その成果は、別紙のとおりである。また農地利用行動については、博士論文としてとりまとめ、京都大学より博士(農学)の学位を授与された。
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Research Products
(6 results)