2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15780150
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
豊 智行 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (40335998)
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Keywords | ドイツ畜産副産物市場 / 畜産副産物規則 / レンダリング工場 / バイオガス工場 |
Research Abstract |
本年度はドイツにおけるBSE対策としての畜産副産物の分類と処理方法の制度(畜産副産物に関する規則(EC/1774/2002))下の関係業界、すなわち、と畜場、レンダリング工場、ゼラチン工場の取り組みを調査し、と畜産副産物市場構造・行動の変化を解明した。 主要な点は以下の通りである。 1.ドイツのと畜場でのBSE検査(24ヶ月齢以上、日本は全頭)とSRM(特定危険部位)の除去(12ヶ月歳以上、日本は全頭)の条件は緩いが、それでもBSE検査費や畜産副産物、すなわちC1(危険度大)とC2(危険度小)とC3(食用に適する家畜のと体から生じたもの)の分別により20%程の費用増となっている。また、畜産副産物については供給側のと畜場が、処理業者となるレンダリング工場、バイオガス工揚、その他工場等に処理料金を支払っている。 2.レンダリング産業は、C1は100〜120ユーロ/t、C2はC1とC3の中間、C3は20〜50ユーロ/tに処理料金を設定している。C3の集荷をめぐってはバイオガス工場と競合するが、バイオガス工場の処理料金は補助金のため割安となっている。調査対象と畜場の費用構成はSRM処分費が19%、焼却費が4%を占めるが、これらはBSE対策にともなって発生した費用である。収入構成は最も多いものから処理料金50.0%、行政会員29.3%、販売(バイオガス用、油脂化学用など)15.9%である。BSEを不活化するための133℃、3気圧、20分を上回る条件で畜産副産物を処理するための設備投資やランニングコストの増大と家畜の飼料原料としての販売先の損失による経営への影響は大きい。 3.ゼラチン工場のC3の処理料金はと畜場によって差はあるが20ユーロ/tとバイオガス工場やレンダリング工場に比べて安い。BSE対策としては原料取引において安全性に関する契約の締結、契約遵守の確認が行われている。
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Research Products
(2 results)