2003 Fiscal Year Annual Research Report
主応力の回転を伴う直接せん断を受ける岩盤の破壊機構
Project/Area Number |
15780159
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西山 竜朗 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (30294440)
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Keywords | 岩盤 / せん断 / 強度 / 亀裂 / 有限要素法 / 模型実験 / 国際研究者交流 / イタリア |
Research Abstract |
第一に、現有の載荷装置を用いて、不連続面を含む岩盤模型に対する傾斜荷重型直接せん断試験を行った。当初の計画では、当該年度においては複数種の材料に対する検討を始める予定であったが、実験を進める過程において不連続面模型の作製手法の工夫に成功したため、これまでに不連続面を含まない模型に対する結果が得られていた材料に対する実験を優先した。この実験の結果から、直接せん断を受ける不連続性岩盤の強度特性について、既往の破壊規準に関する理論に合致する解釈が得られた。次年度以降において、結果解釈の一般化のため、複数種の材料に対する検討を行う。 第二に、亀裂の発生・進展を解析するための、離散ひび割れモデルによる有限要素法プログラムを開発した。その過程では、プログラム中で用いた解析手法の開発者である、イタリア・ミラノ工科大学ボルゾン助教授との詳細にわたる研究討議を行った。このプログラムの採用により、変位不連続の取り扱いにおいて、従来の解析法と比較して大幅な改善が見られた。ただし、不連続面上の摩擦を取り扱う方法については改善の余地が残っている。プログラム開発は、次年度においても継続して行う。 第三に、新規で直接せん断装置を作製した。この装置は、現有の載荷装置と組み合わせて脆性材料の直接せん断試験を行うものである。材料内の一方向の面に対し、任意の傾斜角を持つ荷重およびこの荷重に垂直な拘束圧を与えることが出来る。ただし、一載荷過程での荷重の方向は一定である。当該年度にはこの装置の設計に時間を割き、装置の完成に至った。本報告書作成時点において、試運転を行っている。 本報告書作成時点において、上記第一および第二の成果に関し、次年度早々の論文投稿3件を準備している。
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Research Products
(1 results)