2004 Fiscal Year Annual Research Report
主応力の回転を伴う直接せん断を受ける岩盤の破壊機構
Project/Area Number |
15780159
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西山 竜朗 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (30294440)
|
Keywords | 岩盤 / せん断 / 亀裂 / 有限要素法 / 模型実験 / 国際研究者交流 / オーストラリア / イタリア |
Research Abstract |
第一に、前年度に新規で作製した直接せん断装置を用い、石膏直方体の破壊試験を行った。当該年度には、最も単純な条件として、一定垂直応力の下での一面せん断試験を行った。この試験においては多チャンネル計測が可能なデータロガーを新規導入し、3方向ひずみゲージによる、せん断過程でのひずみ測定を行った。試験の結果から、最終的な破壊に至るまでの亀裂の発達過程と対応した、応力状態に関する知見が得られた。最終年度となる次年度へ向けて、次に記す数値解析との連携を進めるとともに、一定拘束圧の方向を変えた条件下における試験にも取り組みたいと考えている。 第二に、前年度に開発した有限要素法プログラムにつき、問題点やアルゴリズムの改善とともに、亀裂面上の摩擦に関してモデルの変更を行った。その過程では、前年度同様に、基幹となっている解析手法の開発者であるイタリアミラノ工科大学Bolzon助教授との相互連絡を随時行った。ただし、当該年度においては、研究者の派遣および招聘は行わなかった。上記のプログラム改善により、摩擦を受けながら発達する亀裂の再現性につき、大幅な改善が見られた。次年度に向けては、外部への発表をも意識しながら、特にプログラム内でのプリ・ポスト処理の追加を進めたい。 第三に、これまでに行ってきた石膏岩盤模型に対する傾斜荷重型直接せん断試験につき、JSPSプログラムにより招聘されたオーストラリアCSIRO Zhao博士の協力により、個別要素法による破壊解析を行った。当該年度においては個別要素法におけるモデル化に重点を置いた検討を行い、国際誌への投稿(投稿中)に至った。その過程では、不連続面を含まない模型に対する、別の条件を与えた実験を追加して行った。次年度に向け、さらに不連続面を含む場合の解析を行う予定である。
|
Research Products
(2 results)