2003 Fiscal Year Annual Research Report
農村活性化のための「集落農園」の管理・運営条件に関する研究
Project/Area Number |
15780161
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
三宅 康成 姫路工業大学, 環境人間学部, 助教授 (60262755)
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Keywords | 集落農園 / 市民農園 / 管理・運営 / 地域住民 / 活性化 / アンケート調査 |
Research Abstract |
都市・農村の双方のニーズを満たす施設として「集落農園」の整備が進んでいる。集落農園は,主に都市住民に農作業の場を提供するもので,農地の有効活用,地域住民の雇用の確保,地域住民間や都市住民との交流による新たなコミュニティ形成など多くの機能をもった施設であり,地域の活性化にも大きな効果をもたらすものと考えられる。本研究では,集落農園として主に市民農園を対象にとりあげ,供給側(地域や地域住民など)の視点から実態を把握し,農村活性化に向けて,農園を効果的に管理・運営していくための条件を明らかにすることを目的としている。 本年度は開設状況や整備内容について,マクロ的な観点から現状把握を行った。調査対象を兵庫県として全88市町村に対するアンケート調査を実施し,集落農園の所在と特徴を把握した。回答の得られた74市町村のうち,集落農園を開設しているのは45市町村(60%)であり,地域類型別に見ると,都市的地域38%,山間農業地域33%などとなっている。地域住民の集落農園への関与が見られる割合は47%と約半数の市町村に至っている。また,関わりの程度を5つのランクに分類したところ,最上位となる「農園の企画や運営」すべてに関わりを持っている農園がある市町村は18%で,イベントなどで一時的に関わりを持つ軽微な関与が36%と多かった。集落農園に対するニーズは高く,農園の管理・運営に関して地域住民の関与があるとした市町村では90%が活性化効果への貢献を指摘している。一方で,地域住民や集落としての農園への関与はまだ希薄な場合が多く,農園の立地条件等と合わせて管理・運営のあり方を考えることが必要であることが示唆された。
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