2003 Fiscal Year Annual Research Report
カゼインホスホペプチドのlgA産生増強作用に関与する細胞及びレセプター分子の解明
Project/Area Number |
15780174
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
河原 岳志 信州大学, 農学研究科, 助手 (30345764)
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Keywords | カゼインホスホペプチド / IgA / CpG-DNA / テイコ酸 / Toll-like receptor |
Research Abstract |
本研究は、乳中のカルシウム感受性カゼインが消化酵素の作用を受けることにより生成するカゼインホスホペプチド(CPP)のIgA産生促進作用の研究成果を受けて、そのターゲットとなる細胞およびレセプター分子の解明を目指すものである。 平成15年度の研究業績として、マウス脾臓細胞より磁気細胞分離システム(MACS)を利用し分離したCD4^+(Th1細胞)、CD8^+(Th2細胞)、CD19^+(B細胞)のリンパ球サブセットに対するCPPの影響について検討を行った。CPPの存在下において、顕著な応答はCD19^+細胞サブセットにおいて観察され、主要なターゲット細胞としてB細胞が候補に挙げられることを明らかにした。この研究結果を受けて、レセプターの探索ではマウス脾臓由来のB細胞を以降の検討に用いた。CPPの作用にはホスホセリン(SerP)集中域を構成するSerP-X-SerPのトリペプチド配列が必要不可欠であることが明らかにされているものの、特定のレセプターの関与を示唆する情報は得られていない。そこで、レセプター候補となる分子の推定にあたって、一定の間隔で複数のリン酸基が配置されるというホスホセリン集中域に類似した構造を持つマイトージェンである非メチル化CpG-DNAのレセプター分子であるToll-like receptor9(TLR9)、テイコ酸のレセプターであるTLR4に焦点をあてた。現在、CPP存在下におけるリガンド・レセプターの結合に対する競合作用および抗レセプター抗体によるCPPのB細胞の結合阻害を指標に、CPPのこれらのレセプター分子への関与について検証を進めている。
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