2004 Fiscal Year Annual Research Report
ブロイラーにおけるリポ酸の脂質代謝調節とその実用的用途に関する研究
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15780182
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Research Institution | Akita Prefectural College of Agriculture |
Principal Investigator |
濱野 美夫 秋田県立大学短期大学部, その他部局等, 助教授 (10289746)
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Keywords | ブロイラー / リポ酸 / 酢酸注入 / β-ヒドロキシ酪酸 / 遊離脂肪酸 / 過酸化脂質 / 鶏肉 / 脂質安定性 |
Research Abstract |
本研究は、酢酸の静脈内連続注入にともなうブロイラーの脂質代謝反応と、鶏肉の脂質過酸化に及ぼすビタミン様作用因子リポ酸の影響について検討した。生体におけるリポ酸の脂質代謝に及ぼす作用は、組織、特に肝臓におけるアセチル-CoAの代謝過程と関係するものと示唆したため、リポ酸を添加した飼料(0,50,200mg/kg)を5週間以上給与し、43〜48日齢で以下のような注入実験をおこなった。ブロイラーにカテーテルを挿入し、酢酸ナトリウム溶液を2時間、静脈内に連続注入した(2mmol/kg/hr)。もう一方のカテーテルからは採血をおこなった。血液については血漿中のグルコース、乳酸、脂質およびケトン体(β-ヒドロキシ酪酸)の定量分析をおこなった。一方、42日齢のニワトリについては、採血後に屠殺をおこない、直ちに浅胸筋を摘出して真空凍結した。その解凍した骨格筋の過酸化脂質量を解凍0日目と、4℃保存のもとで3日目に定量分析した。酢酸注入にともない、乳酸、血漿遊離脂肪酸およびケトン体が経時的に増加した。中性脂肪は酢酸注入によって低下した。この酢酸注入による代謝反応に対し、リポ酸の50mg/kg添加区では、血漿ケトン体の増加が顕著に抑制され、遊離脂肪酸がさらに増加した。しかし、リポ酸の200mg/kg添加区では、酢酸注入にともなう中性脂肪の低下を助長する作用のみ認められた。さらに、リポ酸には骨格筋の脂質過酸化を抑制する効果があった。しかし、これはリポ酸の高い投与水準でのみ生じ、解凍3日目での効果は低いものであった。以上から、リポ酸の脂質代謝に及ぼす影響はその投与量によって異なり、リポ酸の及ぼす脂質代謝調節(ケトン体生成の抑制と遊離脂肪酸の増加)は肝臓のアセチル-CoA以降の代謝過程で生じるものと示唆された。また、リポ酸には脂質の安定性を維持する機能もあることが新たに見出された。
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