2003 Fiscal Year Annual Research Report
頚動脈小体主細胞のガス受容に伴う細胞内Ca^<2+>の動態とイオンチャネルの役割
Project/Area Number |
15780185
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
山本 欣郎 岩手大学, 農学部, 助教授 (10252123)
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Keywords | 頚動脈小体 / 低酸素 / 高二酸化炭素 / カルシウムイメージング / 免疫組織化学 / 遺伝子組織化学 / 内向き整流カリウムチャネル / バックグラウンドカリウムチャネル |
Research Abstract |
本年度は、スライス標本を用いたカルシウムイメージング実験の条件設定と頚動脈小体主細胞における信号伝達関連分子の探索を行った。Indo-1を用いたカルシウムイメージングでは、100μm切片をチャンバーに設置して1%O_2でバブリングした還流液で刺激したが、予想通りの細胞内カルシウムイオンの濃度上昇は観察されなかった。20%CO_2でバブリングした還流液による刺激では、濃度上昇が観察される場合もあったが結果は不安定であった。この理由として結合組織や支持細胞による表面の被覆が原因と考えられたので、酵素による部分消化の追加を含めて実験条件を検討中である。 頚動脈小体主細胞における信号伝達関連分子の探索では、数種の低酸素受容関連分子、高二酸化炭素受容関連分子と考えられる分子のmRNAおよびタンパク質をin situ hybridization法および免疫組織化学法によって検出した。その結果、従来までに報告した酸素受容カリウムチャネルと考えられるTASK-1やTASK-3の他に、高二酸化炭素受容カリウムチャネルの候補である内向き整流カリウムチャネル(Kir4.1およびKir5.1)、低酸素受容調節チャネルの候補であるバックグラウンドカリウムチャネルTREK-1、TREK-2およびTRAAKのmRNAとタンパク質が頚動脈小体主細胞に発現することを確かめた。これらのチャネルは低酸素受容時および高二酸化炭素受容時に重要な役割を有していることが予測されるので、イメージング実験でその機能を確かめるとともに、生化学的にその発言を確認することを計画している。本成績は学会発表および論文で公表する予定である。
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