2003 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質の構築に必須なアダプター蛋白質Dab1及びその結合蛋白質の機能解析
Project/Area Number |
15780192
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
守村 敏史 独立行政法人理化学研究所, 細胞培養技術開発チーム, 研究員 (20333338)
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Keywords | Reelin / Dab1 / endocytosis / チロシンリン酸化 / PTBドメイン |
Research Abstract |
ニューロンの位置決定には細胞外マトリックス蛋白質Reelin、Reelin受容体及び細胞内コンポーネントであるDisabeld1(Dab1)のSrcファミリーチロシンキナーゼ(STK)によるチロシリン酸化が必須である。Reelinシグナル系は、受容体にコレステロールを細胞内に為のリポタンパク質受容体を共有することから、Reelin取り込み(endocytosis)とDab1の関係に着目して解析を進めた。その結果、Dab1のリン酸化はReelinの取込みに先行しておこり、STK阻害剤添加によりReelinの取込みがほぼ完全に阻害される事から、Dab1のリン酸化はReelinの取込みを調節している事が強く示唆された。 Phosphotyrosine binding (PTB)を持つ蛋白質は受容体依存的endocytosisを調節することがいくつかの蛋白質で報告されている.そこでDab1のReelinの取込みの役割を明らかにする目的で,Dab1欠損ニューロンにおけるReelin取込みを組織学的に解析した.その結果、Reelinの取込みは顕著に減少し、その低下は細胞表面の受容体の発現量の低下とSTK不活性化によることが強く示唆された。更に、Reelin受容体の発現調節機構におけるDab1の機能をCos7細胞を用いて解析したところ、Dab1非存在下ではReelin受容体は小胞体上に主に局在するのに対し、Dab1を強発現させると、その局在は細胞周囲に移動しDab1の局在とよく一致した.以上の結果より、Dab1はReelin受容体の細胞膜上の発現を誘導することにより、移動ニューロンとReelinのコンタクトを維持することに作用していることが強く示唆された.
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