2005 Fiscal Year Annual Research Report
老化過程におけるタンパク質分子間架橋形成酵素トランスグルタミナーゼの生理機能解析
Project/Area Number |
15780214
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
市川 明 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (90346122)
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Keywords | トランスグルタミナーゼ / タンパク質基質 / ベタイン-ホモシステインメチルトランスフェラーゼ / ホモシステイン代謝 / 相互作用タンパク質検索 |
Research Abstract |
1.老化モデル実験動物を用いたTGase、BHMT活性変動とHcy濃度の因果関係の検証 老化に伴うTGase活性変動によるBHMTの架橋化、活性低下が血中Hcy濃度上昇に寄与しているかどうかを検討するために、平成15年度より飼育開始した自然老化マウス(Std : ddY)および平成16年度より飼育開始した老化促進モデルマウス(SAMP1)のそれぞれから血漿を採取して血中Hcy濃度を測定し、加齢に伴う血中Hcy濃度変化を検討した。その結果、Std : ddYおよびSAMP1で加齢にともなうTGase活性と血中Hcy濃度の上昇がみられた。このことから加齢マウスにおいてBHMTの架橋修飾の検出と酵素活性の低下が予測されたが、いずれも検出されなかった。逆に、Std : ddYではBHMT酵素の発現量と活性が共に上昇しており、BHMTは何らかの原因で上昇したHcyによって酵素発現が誘導される可能性が示唆された。これらの結果から、加齢に伴うTGaseによるBHMT架橋修飾と血中Hcy濃度上昇との因果関係は見いだせなかった。 2.酵母Two-Hybrid法によるTGase相互作用タンパク質の検索・同定 前年度までにマウス肝cDNAライブラリーからCytoTrap酵母Two-Hybridシステムを用いて取得したマウス肝TGaseと相互作用するタンパク質候補38クローンのTwo-Hybrid法による相互作用の確認を行った結果、全てのクローンが温度耐性復帰変異体であることが判明した。このためスクリーニング系の問題点を検証した結果、酵母のトランスフォーメーション効率を上げることで新たに38個の陽性クローンの取得に成功した。現在、塩基配列解析による相互作用タンパク質候補の同定を行っている。また、ヒト脳における神経変性疾患にTGaseか関与することが示唆されていることから、ヒト脳cDNAライブラリーからの相互作用タンパク質のスクリーニングも開始した。今後、同定した相互作用タンパク質の加齢に伴うTGase活性制御における役割を検討する予定である。
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