2003 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖を分子プローブとしたDNA修復阻害活性ガン治療薬の創製
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15790012
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
池田 剛 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (80295138)
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Keywords | 糖鎖 / 分子プローブ / ガン / DNA修復阻害 / トランスグリコシレーション / Fusarium oxysporum / tomatinase / Lycotetraose |
Research Abstract |
ガン細胞増殖抑制活性に必要なファーマコフォアを明らかにするためにリコテトラオサイドのアグリコ部分のライブラリーの構築を行う。そこで、本年度は1〜4に記すように、糖鎖分子プローブ(リコテトラオース配糖体)の合成法の確立を行った。 1.トマチナーゼの大量生産・・・トマト寄生カビFusarium oxysporumの中でもトマチナーゼ活性の強い菌株を選抜し大量培養を行った。得られた菌体をαトマチンにて刺激し、トマチナーゼの誘導を行った。培養液に溶出されてくるトマチナーゼを硫安沈殿、限外濾過にて濃縮してトマチナーゼ溶液を調製した。現在、1.5Lの培養液からトマチナーゼを含むタンパクが1mg得られる。 2.リコテトラオースの調製・・・αトマチンとトマチナーゼ溶液を混合し、室温で一晩反応する。析出する沈殿を濾去、濾液をポリスチレンゲルに通して脂溶性成分を除き、分子篩クロマト(Sephadex LH20)にて脱塩しリコテトラオースを単離し、合成原料とした。 3.リコテトラオース糖供与体の合成・・・切り出されたリコテトラオースをアセチル化した。次に,ヒドラジン酢酸塩で還元末端のアノマー位のアセチル基を除去し,トリクロロアセトニトリルとDBUで処理しトリクロロアセトイミデート体に変換した。 4.リコテトラオース配糖体の合成・・・先ず、トリクロロアセトイミデート体とコレステロールとのグリコシル化を検討した。塩化メチレン中、三フッ化ホウ素エーテル錯体を活性化剤として反応を行った。2位のアセチル基による隣接基効果でβ結合体が得られるものと予想していたが、生成したのはα体のみであった。コレステロールの代わりにシクロヘキサノールを用いてもα体のみしか生成しないことから、リコテトラオースの立体的要因がグリコシド結合の選択性に影響していると予想された。来年度は、反応溶媒の検討、アセチル基に変わる保護基の検討を行って天然型のβ結合体も合成できるルートを開拓する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Fujiwara, S.Yahara, T.Ikeda, M.Ono, T.Nohara: "Cytotoxic major saponin from tomato fruits."Chem.Pharm.Bull.. 51. 234-235 (2003)
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[Publications] T.Ikeda, H.Tsumagari, T.Honbu, T.Nohara: "Cytotoxic activity of steroidal glycosides from solanum plants."Biol.Pharm.Bull.. 26. 1198-1201 (2003)
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[Publications] Y.Fujiwara, T.Ikeda, M.Ono, H.Yoshimitsu, T.Nohara: "Isolation of Tomato Steroidal Glycosides, Esculeosides A and B from Ripe Fruits."Tetrahedron. 60(In press). (2004)
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[Publications] H.N.Yu, J.Furukawa, T.Ikeda, C.-H.Wong: "Novel Efficient Routes to Heparin Monosaccharides and Disaccharides Achieved via Regio- and Stereoselective Glycosidation."Organic Letters. 6. 723-726 (2004)