2003 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属錯体触媒アリル位アルキル化反応を用いた三級・四級連続不斉炭素中心の構築
Project/Area Number |
15790021
|
Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
川面 基 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (50360243)
|
Keywords | パラジウム触媒 / アリル位アルキル化 / 三級・四級連続不斉炭素中心 / 位置選択性 / ジアステレオ選択性 / ホスフィン配位子 / アセトマイシン |
Research Abstract |
平成15年度はパラジウム触媒を用いた,アリル位アルキル化反応における3級・4級連続不斉炭素中心の構築を目指した研究を行った.具体的には(R)-2-acetoxy-4-phenyl-3-buteneと2-methylacetoacetateのカップリング反応を行い,以下に示す結果を得た. 1.Pd(OAc)_2触媒存在下で,ホスフィン化合物を中心とした様々な配位子の検討を行い,PPh_3や幾つかのP, N配位子が完全な位置選択性を示すことを明らかにした.更に,2-(diphenylphosphino)benzoic acidが完全な位置選択性を保ちながら,最高94%のジアステレオ選択性を与える事を明らかにした.この結果,パラジウム触媒を用いたアリル位アルキル化によって,3級・4級連続不斉炭素中心を構築する事に成功した.同時に,様々な2-(diphenylphosphino)arylcarboxylic acidが同じく高い位置及びジアステレオ選択性を示す事も明らかにした. 2.次に,得られた高ジアステレオ選択的カップリング生成物を6工程で抗腫瘍活性物質アセトマイシンへと誘導することにも成功し,本反応の実用例を示すことに成功した.同時に,今回の反応で新たに構築された4級不斉炭素中心の絶対配置がS配置であることも証明した. 3.求核剤として,な環状ケトエステルの使用も可能な事を実証した.具体的には2-ethoxycarbonylcyclopentanoneを求核剤とした場合にも完全な位置選択性,かつ最高93%のジアステレオ選択性で3級・4級連続不斉炭素中心を有するアリル位アルキル化体を得ることに成功した.
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Uenishi, L., Kawatsura, M., Ikeda, D., Muraoka, N.: "Construction of Consecutive Chiral Non-Racemic Quaternary and Tertiary Carbon Centers : A Short Synthetic Route to (-)-Acetomycin"Eur.J.Org.Chem.. 20. 3909-3912 (2003)