2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790030
|
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
加藤 大 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (30332943)
|
Keywords | マイクロチップ / 生体分子 / キャピラリー電気クロマトグラフィー / ゾル-ゲル反応 / ハイスループット解析 / プロテオーム解析 / 酵素反応 / 分子認識 |
Research Abstract |
マイクロチップや細管という微小領域の一部に生体由来の機能性物質を固定化し、その機能を利用することで優れた解析用素子を作製した。物質の固定には、高含水ゲルやリン脂質と類似した構造を有する高分子を用いた。このように生体内と類似した環境で生体物質を固定化することで、固定化された生体物資はその機能を持続的に発現した。また微小領域に固定化し、繰り返し利用が可能であることから、固定化に必要な生体物質は、汎用されている手法と比較して数100分の1以下と、極めて微量であった。 この固定化法を利用してタンパク質の消化酵素であるペプシンを固定化し、タンパク質試料の消化と分離を細管内で行い、生成したペプチド断片をオンラインで質量分析装置に導入し検出することで、タンパク質の同定が行える解析系を構築した。また薬物代謝酵素を含むラット肝臓ミクロソームを固定化した細管に、薬物と代謝阻害薬を同時に注入することで、薬物の阻害活性を簡便に測定できることを明らかとした。 またこれら解析法の開発に並行して、より生体物質の固定化に適した高含水ゲルの開発を行った。従来から使用していたアルコキシシランに加えて、天然由来の高分子であるキトサンやゼラチンを添加した高含水ゲルを調製し、固定化した生体物質の安定性を評価した。その結果、微量のゼラチンを添加することで、固定化した血清アルブミンのアミノ酸に対する親和性が増加すること明らかとなり、今後はゼラチンを添加した高含水ゲルを他の生体物質の固定化に利用していく予定である。
|
Research Products
(6 results)