2004 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病脳老人斑アミロイドを構成する新規タンパク質CLACに関する研究
Project/Area Number |
15790038
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 唯史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (30334337)
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Keywords | アルツハイマー / アミロイドβペプチド / コラーゲン / CLAC |
Research Abstract |
老人斑アミロイドを構成する新規蛋白質CLACがアルツハイマー病老人斑に蓄積するメカニズム及びアミロイドβペプチド(Aβ)と相互作用してAβの線維化に及ぼす影響について研究を進めた。その結果まず(1)CLACは老人斑のうちAβ40陽性部位に蓄積しない。(2)βシート構造を特異的に認識する色素thioflavin S陽性部位にもCLACは蓄積しない。(3)ダウン症患者脳を用いた時系列的解析によりCLACの蓄積はAβ42の蓄積に次いで生じる初期病変である。ということを明らかにした(Kowa et al.,2004)。さらに前駆体蛋白CLAC-Pからfurinにより切断され、培養上清中に分泌される分泌型CLAC(sCLAC)を用い、(4)sCLACが凝集Aβと結合するにはsCLACのコラーゲン様triple helical構造が必須であり、(5)sCLACの第1コラーゲン領域内にある塩基性アミノ酸クラスター領域が両者の結合に重要な役割を果たしていることを見出した。さらに培養上清中からsCLACを精製する手法を確立し、in vitroでAβと混和させることにより、(6)sCLACはAβの凝集を抑制する、(7)sCLACのAβ凝集抑制は凝集過程のうち伸長過程でおこることを見出した(Osada et al.,2005)。これらの知見はCLACがアルツハイマー病に対し抑制的に働く可能性を示しており、現在CLAC-Pを過剰発現するモデル動物を用いたin vivoレベルの検討を進めている。
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Research Products
(3 results)