2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790041
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小西 守周 京都大学, 薬学研究科, 助手 (00322165)
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Keywords | 白色脂肪組織 / FGF / 組織形成 |
Research Abstract |
研究代表者は、成体の脂肪組織形成過程におけるFGF10の役割を明らかにすることを目的に本研究を行った。脂肪組織特異的にCre酵素を発現するマウス(aP2-Cre/ERT2)とFGF10の特異的な受容体であるFGF receptor2 (FGFR2) floxマウスを交配させた。今回用いたaP2-Cre/ERT2マウスは、タモキシフェン投与により任意の時期において遺伝子組み換えを惹起することができる。まず作製したaP2-Cre/ERT2 x FGF10 flox/floxマウスに対し、胎生14.5日胚より5日間タモキシフェンの連続投与を行い、白色脂肪組織形成の初期過程におけるFGF10/FGFR2シグナリングの役割について検討した。その結果、出生直前のマウスの皮下白色脂肪組織における脂肪滴の蓄積が減少した。この結果から胎生期の白色脂肪組織形成過程において、FGF10/FGFR2シグナリングが脂肪分化を正に調節している可能性が示された。またマウスの発達過程において、離乳前後に脂肪細胞の増殖、脂肪滴の蓄積が活発であることが報告されている。そこで離乳後すぐに組み替えを行ったところ、組み替え体の皮下脂肪組織において、コントロールに比較して、脂肪滴の大きさが増加している個体が見受けられた。この結果より、生後の白色脂肪組織の発達過程においてFGF10/FGFR2シグナリングが脂肪滴の蓄積を負に制御している可能性が示唆された。現在、成体になった後の脂肪蓄積過程、あるいは肥満過程におけるFGF10/FGFR2シグナリングの重要性を明らかにするため、組み換えを8周齢以降に行う、あるいは高脂肪食負荷、遺伝性肥満マウスとの掛け合わせなどを試みている。以上の検討より、生体の脂肪組織形成過程、肥満過程におけるFGF10/FGFR2シグナリングの意義について明らかになると共に、新たな肥満症治療薬の開発等にも有用な知見が得られるものと期待される。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Ohmachi, T.Mikami, M.Konishi, A.Miyake, N.Itoh: "Preferential Neurotrophic activity of Fibroblast Growth Factor (FGF)-20 for Dopaminergic Neurons through FGF Receptor-1c"Journal of Neuroscience Research. 72. 436-443 (2003)
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[Publications] N.Kusu, J.Iaurikkala, M.Imanishi, H.Usui, M.Konishi, A.Miyake, I Thesleff, N.Itoh: "Sclerostin is a novel secreted osteoclast-derived bone. morphogenetic protein (BHP) antagonist with unique ligand specificity"Journal of Biological Chemistry. 278. 24113-24117 (2003)
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[Publications] T.Asaki, M.Konishi, A, Miyake, S.Kato, M.Tomizawa, N.Itoh: "Roles of fibroblast growth factor 10 (Fgf10) in adipogenesis in vivo"Molecular and Cellulor Endocrinology. in press. (2004)