2003 Fiscal Year Annual Research Report
カルニチントラスポーターの発現変動解析を基盤とした心肥大発症メカニズム
Project/Area Number |
15790052
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
前田 智司 東京理科大学, 薬学部, 助手 (60303294)
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Keywords | カルニチン / トランスポーター / 心肥大 / 発現変動 / プロモーター解析 / OCTNトランスポーター / FXR / 胆汁酸 |
Research Abstract |
Organic cation/carnitine transporter(octns)トランスポーターはマウスにおいては3種類(octn1,2,3)のメンバーが同定されており、全ての分子種が共通して精巣で発現している。3分子種のうち2分子種(octn2,および3)は高いカルニチン輸送活性を保持している。しかし、両者はカルニチン輸送特性が異なるとともに、両分子の精巣での発現パターンも異なっていることが示唆されている。そこで、両者のカルニチン輸送における役割はどのように分担されているかという生理的役割の解明を目的とし、発現調節機構からの考察を試みた。β酸化に関与するパルミチン酸(長鎖飽和脂肪酸)、ならびにカルニチン自身の刺激によるoctn2とoctn3の発現変動の有無を調べた。その結果、カルニチンおよびパルミチン酸暴露によりoctn2の発現はそれぞれ1.8倍、1.4倍の増加が観察された。octn3はoctn2同様パルミチン酸暴露により増加が認められたが、カルニチン刺激では発現量に変化はなかった。また、精巣において高発現しているoctn3は精巣組織の形成および精子分化に深く関わっている転写因子sryおよびSp-1により制御されていることを見出した。 さらに、胆汁酸をリガンドとし、生体内胆汁酸センサーとして機能している核内レセプターの1つであるFarnesoid X receptor(FXR)の薬物輸送に関わると考えられるトランスポーターの発現に及ぼす影響をFXR欠損マウスを用いて検討した。その結果、octn1を含めた7分子のトランスポーターの発現調節はFXRにより制御されている可能性が示唆された。
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