2003 Fiscal Year Annual Research Report
神経成長因子によって発現誘導される転写活性化因子TIS11の機能的役割
Project/Area Number |
15790055
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
村田 富保 名城大学, 薬学部, 助手 (80285189)
|
Keywords | TIS11 / 初期応答遺伝子 / 神経成長因子 / 転写因子 / 熱ストレス / ストレス顆粒 |
Research Abstract |
これまでに神経成長因子(NGF)によって誘導される初期応答遺伝子として転写因子やサイトカイン類などをコードする遺伝子が報告されているが,申請者らはホルボールエステル(TPA)で誘導されることが知られているTIS(TPA-Induced Sequences)遺伝子群の一つであるTIS11もNGF刺激時の初期応答遺伝子の一つであることを報告している.さらに,申請者は,TIS11遺伝子の翻訳産物であるTIS11蛋白質の機能解析についても研究を進め,ごく最近,TIS11蛋白質が基本転写活性を増大させる転写促進因子であることを報告している.また,TIS11が核と細胞質間をシャトルしていることも見出しており,TIS11の一次構造にて核内移行および核外移行に必要となるアミノ酸領域を同定している.この研究過程で,熱ストレスを与えた細胞の細胞質において,TIS11が顆粒状に分布することを発見したので,本年度は,ストレス条件下におけるTIS11の細胞内局在の解析を試みた.これまでに細胞に熱,酸化,高浸透圧,UV等のストレスを与えると,ストレス顆粒(stress granule:SG)と呼ばれる凝集体が細胞質に形成されることが報告されており,このSGはRNA結合蛋白質(TIA-1,TIAR,HuR),リボゾーム,mRNAなどから構成されていることが明らかにされている.SGの大きさと形状がTIS11陽性の凝集体とよく似ていたことから,TIS11がSGに局在して顆粒状に分布した可能性が考えられた.そこで、SGの構成分子であるTIA-1の局在を指標にして,熱ストレス条件下におけるTIS11の細胞内局在について解析を行ったところ,熱ストレス条件下においてTIS11はSGに局在することが判明した.
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Tomiyasu Murata: "Temperature-dependent, neurotrophic factor-elicited, neuronal differentiation in adrenal chromaffin cell line immortalized with temperature-sensitive SV40 T-antigen"Journal of Neurochemistry. 85(5). 1126-1138 (2003)