2005 Fiscal Year Annual Research Report
神経成長因子によって発現誘導される転写活性化因子TIS11の機能的役割
Project/Area Number |
15790055
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
村田 富保 名城大学, 薬学部, 助手 (80285189)
|
Keywords | TIS11 / Zn^<2+>フィンガー蛋白質 / p53 / アポトーシス / 転写活性化因子 / mRNA不安定化因子 |
Research Abstract |
TIS11遺伝子の翻訳産物であるTIS11蛋白質は特異なZn^<2+>フィンガー構造を有しており,申請者はTIS11蛋白質の生理機能について解析を進め,TIS11の一次構造上に核内移行シグナル領域ならびに核外移行シグナル領域を同定し,TIS11が核-細胞質間をシャトルしていること,また,TIS11が核内へ移行して基本転写活性を増大させる転写活性化因子として機能すること等を報告している.また,海外の研究グループは,TIS11がTNF-αやIL-3などのmRNAの3'側の非翻訳領域に存在するAU-richエレメントに結合し,mRNAを不安定化させる因子であることを報告している.したがって,TIS11は多機能性Zn^<2+>フィンガー蛋白質であることが想定される. 最近,申請者はCOS-7細胞にTIS11を持続的かつ過剰に発現させると,アポトーシスが起こることを見出しており,TIS11が細胞を死滅させる「負の調節因子」として機能することを明らかにした.多くの癌で高頻度に変異が認められる癌抑制遺伝子p53は,転写因子として機能し,いくつかの標的遺伝子ゐ発現を制御して,その生理機能を発揮する.その中でも,アポトーシス誘導活性は癌化および癌細胞の進展の抑制に関わっていると考えられており,p53によって発現誘導されるアポトーシス制御遺伝子の解析は極めて重要な研究課題である.ごく最近,申請者は,細胞にp53依存性のアポトーシスを引き起こすと,TIS11が発現誘導されることを見出しており,TIS11がp53によるアポトーシスの誘導に関与している可能性を提唱した.
|
Research Products
(3 results)