2003 Fiscal Year Annual Research Report
Klotho蛋白質によるカルパインの活性制御機構の解析
Project/Area Number |
15790065
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
萬谷 博 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所・糖蛋白質研究グループ, 研究員 (20321870)
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Keywords | klotho / カルパイン / 老化 |
Research Abstract |
klotho変異マウスは多彩な老化症状を呈することから、klotho遺伝子の機能がヒト老化疾患解析の重要な鍵となっている。私はこれまでに、klotho変異マウス,の腎臓と肺ではμ-calpainが異常に活性化され、その内在性阻害物質であるcalpastatinが消失していることを明らかにしている。こうしたcalpainの活性制御の異常が、細胞骨格系の分子を分解し、組織の正常な機能を損ねている可能性が考えられる。そこで、Klotho蛋白質の減少を起因とするcalpain活性制御異常の分子機構の解明を目指し、本年度はRNAi技術による細胞レベルでのKlotho蛋白質の発現を制御する実験系の検討を行った。これまで培養細胞でのKlothoの発現は、mRNAでしか検出することができず、Klotho蛋白質の細胞レベルでの研究はほとんど行われていない。そこで、まず内在性に検出可能な量のKlotho蛋白質を発現している細胞の検索を行った。マウスにおけるKlotho蛋白質の主要発現臓器である腎臓を中心に、klotho mRNAの発現が報告されている各組織由来の培養細胞株についてウェスタンブロットにより検索し、ヒト腎臓由来の細胞株からKlotho蛋白質が検出可能な株を発見した。本細胞株は今後のKlotho蛋白質の機能研究における重要なツールとなることが期待される。次に、本細胞株を用いてKlotho蛋白質の発現阻害効果を持っsiRNA配列を検討した。この検討によりKlotho蛋白質の発現を強力に阻害するsiRNA配列を見いだすことに成功し、RNAi効果によるKlotho蛋白質の発現制御システムを構築した。現在、このシステムによりシグナル伝達系の解析を行っている。
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Research Products
(1 results)