2003 Fiscal Year Annual Research Report
二本鎖RNAを用いたSmad結合タンパク1(Sip1)の核内シグナル伝達の解明
Project/Area Number |
15790067
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
山田 憲一郎 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 遺伝学部, 研究員 (30291173)
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Keywords | ZFHX1B / Sip1 / siRNA / ヒルシュスプルング病症候群 / 知的障害 |
Research Abstract |
我々は、ヒルシュスプルング病に、著明な知的障害、てんかん、運動発達遅延、小頭症、特異的な顔貌を合併するヒルシュスプルング病症候群がZFHX1Bの異常で発症することを初めて明らかにした。本症の病態を分子レベルで明らかにするために、ZFHX1B遺伝子産物であるSmad interacting protein-1 (Sip1)タンパク質の機能解析を行っている。本症の患者には著明な知的障啓が見られるため、脳神経発達におけるSip1の役割に注目している。本研究は、siRNAを用いて培養細胞及びマウスの初代脳培養細胞内のSip1の機能を阻害し、その結果生じる様々な遺伝子の発現異常や、神経細胞の形態変化等を明らかにすることを目的としている。 今年度は、ZFHX1BをノックダウンするためにsiRNAを作製をした。(1)4種類のSip1に特異的な配列のsiRNAを作製した。それらのsiRNAをマウスNeuro2A、あるいはF9細胞に導入し、定量的RT-PCRによりSip1のmRNAを測定した。Sip1の3'utr部位のsiRNAを導入した細胞では、ベクターのみを導入したコントロールに比べ、Sip1の発現量が70%程度に低下していた。(2)ヒトSip1の開始コドンから約600bp領域の2本鎖RNAを作製し、Dicer酵素により約25merの断片にしたsiRNAをHEK293細胞に導入した。Sip1の発現量はコントロールに比べ、40%程度に低下していた。作製したsiRNAは、Sip1の機能を阻害できることが明らかとなった。今後、さらにノックダウンできるsiRNAを作製しマウスの初代脳培養細胞に導入し、遺伝子の発現異常や、神経細胞の形態変化等の異常を明らかにする予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yamada Y, Yamada K, Sonta S, Wakamatsu N, Ogasawara N.: "Mutations in the hypoxanthine guanine phosphoribosyltransferase gene (HPRT1) in Asian HPRT deficient families."Nucleosides Nucleotides and Nucleic Acid. (in press). (2004)
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[Publications] Mizunuma M, Yamada Y, Yamada K, Wakamatsu N, et al.: "Disruption in the hypoxanthine phosphoribosyltransferase gene caused by translocation in a patient with Lesch-Nyhan syndrome."Nucleosides Nucleotides and Nucleic Acid. (in press). (2004)
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[Publications] Ishihara N, Yamada K, Yamada Y, Wakamatsu N, et al.: "Clinical and molecular analysis of Mowat-Wilson syndrome associated with ZFHX1B mutations and deletions at 2q22-q24.1."Journal of Medical Genetics. (in press). (2004)