2003 Fiscal Year Annual Research Report
オーダーメード医療をめざしたUDP-グルクロン酸転移酵素の遺伝子多型評価
Project/Area Number |
15790091
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中島 美紀 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (70266162)
|
Keywords | 薬物代謝酵素 / 遺伝子多型 / UGT / 個体差 / ゲノム |
Research Abstract |
UGT1A9はフェニトイン主代謝物4'-HPPHのグルクロン酸抱合反応を触媒するだけでなく、プロポフォール、バルプロ酸、ナプロキセンなどの医薬品の代謝を触媒する。1名の日本人由来のゲノムDNAを元に、UGT1A9遺伝子の全エクソン、エクソン-イントロン接合部位および5'-上流領域をシークエンスした結果、報告されている配列(AF297093)ではプロモーター領域の-109から-98において、A(T)9ATであるのに対し、Tが一塩基挿入され、A(T)10ATとなった新規変異型UGT1A9^*22を発見した。UGT1A9^*22の遺伝子判定のためのPCR-SSCP法を確立し、遺伝子頻度を求めたところ、87名の日本人で60%、50名の白人で39%、50名の黒人で44%であり、どの人種でも高頻度に存在する変異型であることを明らかにした。 UGT1A9^*22に認められる変異が転写活性に及ぼす影響をルシフェラーゼアッセイにより解析した。変異を含む5'-上流領域を組み込んだルシフェラーゼベクターを作成し、HepG2細胞にトランスフェクトして転写活性を測定した。その結果、野性型に比べてUGT1A9^*22は転写活性が2.6倍有意に(p<0.05)高いことを明らかにした。従って、この変異型を有する被験者ではUGT1A9発現量が高い可能性が示唆された。
|
Research Products
(1 results)