2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子欠損マウス作製による選別輸送に関わる因子の機能解析
Project/Area Number |
15790103
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
佐藤 隆史 群馬大学, 生体調節研究所, 助手 (70344934)
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Keywords | 細胞の極性 / 低分子量GTP結合タンパク質 / Rab / ノックアウトマウス / 神経細胞 / 上皮細胞 |
Research Abstract |
高等動物では上皮細胞や神経細胞をはじめとした非対称な構造(極性)を持つ細胞種が多種存在する。これらの細胞種が正常に機能するためには、上皮細胞では頂端側(apical)と側底側(basolateral)、神経細胞では軸索と樹状突起という極性を形成、維持することが必須となる。この細胞極性の形成、維持においては、新規合成蛋白質をトランスゴルジ網で分配、輸送小胞内に濃縮し、各極へと輸送する選別輸送が重要な役割を果たす。近年、極性輸送を制御する因子としてRabやSNARE等が同定されている。中でもRabはトランスゴルジ網に局在し、上皮細胞では細胞膜のbasolateral面へ、神経細胞では樹状突起側への極性輸送を制御する可能性が示唆された。このことから、Rabが選別輸送の重要な鍵を握る分子である可能性は高く、この分子の機能解明は、選別輸送の分子機構の一端の解明の糸口になると考えられる。そこで本研究では、Rabの遺伝子欠損マウスを作製、解析し、細胞レベルのみならず、組織や個体レベルでの機能を明確にしたいと考えた。極性輸送における重要性が示唆されている低分子量GTP結合タンパク質RabやSNARE分子などの遺伝子のノックアウトマウスを作製し、そのうちの1つのRabのノックアウトマウスが完成した。作製したマウスはメンデルの法則による期待値と同等の匹数で出生した。これらのマウスの詳細な表現型をするとともに、生理学的な異常の特定や、組織、細胞の形態の解析などにより解明を試みたが、現時点ではノックアウトマウスにおける異常を明らかに出来ていない。極性輸送における異常を解析するために用いるマーカー抗体等の入手はすでに完了したため、細胞レベルでの解析を始める準備は整った。さらに、合計6種類の組織特異的Cre発現マウスの入手もすでに完了した。
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Research Products
(1 results)